エウレカ徒然備忘録

時事報道への感想を中心に、ときにアニメDVDを使った英語学習法などを徒然書いています

20210923_日経HL

 大手メディアが日経紙を含めて如何にバイアスのかかった報道をするかの見本のような記事。財源を消費税に求める最低保障年金の議論が話にならない馬鹿げた議論であることは、過去の消費税引き上げで日本経済がどうなったのかを少しでも振り返ることができる人間ならば自明のはず。さら逆進性が顕著な消費税はその本質として低所得者の懐を痛め、格差を拡大する税であるという点を素通りして1総裁候補の思いつきを絶賛するとは何をかいわんや、なのです。

 

年金論戦、河野氏は筋金入り 厚労省の不作為突く

自民党総裁選の政策論戦のテーマに年金改革が浮上した。岸田文雄高市早苗野田聖子の3候補には想定外だったのではないか。仕掛けたのは河野太郎氏だ。出馬を表明した今月10日の記者会見では年金の「ね」の字も出なかったが、同日夜に出演したテレビ東京系列の「ワールドビジネスサテライト」で、自らこの問題を提起した。首相になった場合、在任中の消費税率の扱いをどうするかを番組キャスターに問われ「わからない」と答えたうえで、河野氏のほうから年金改革を切り出した。将来、高齢期の暮らしを支える最低保障機能が果たせなくなる現行制度の欠点を補うために、基礎年金に税財源を充てる必要性を示唆した。18日に開かれた日本記者クラブ主催の討論会では、高市、岸田両氏の問いに答えるかたちで考え方をより明確にした。ポイントは次の3点だ。

国民年金低所得者に保険料の減免制度があるが、そのぶん将来の年金給付は減らされる。厚生労働省は減免の利用を促すことで見かけの保険料徴収率を高めているが、このやり方ではいずれ最低保障機能を果たすのが難しくなる

▶最低保障年金の財源は保険料よりも税金のほうが理にかなっている。一定以上の収入・資産がある人には税財源の年金は支給しない

▶無年金・低年金の高齢者のなかには生活保護に頼らざるを得ない人がおり、今後さらに増えるだろう。(地域や世帯構成によっては)生活保護の受給額が国民年金を上回る逆転現象も起きている。生活保護の財源は税だ。年金の最低保障が機能すれば生活保護の受給者が減り、増税幅は抑えられる。そもそも年金の税財源化は保険料負担からの置き換えなので、トータルの国民負担はツーペイ(差し引きとんとん)になる 長年にわたる厚労省の「不作為」を突く内容だ。

これに対する他候補の反論は、年金官僚や同省寄りの学者の常とう句をなぞるような内容が多く、説得力に欠けていた。この時点では、周到に準備していたことをうかがわせる河野氏側に軍配が上がったようにみえた。年金を根本から改革すべしという主張は、実は河野氏の若いころからの政治信条だ。今から15年前、2006年の党総裁選で提起しようとしていた>

 

<――年金制度改革の具体的な中身は。

 最低保障はやはり必要だ。保険料を払わないとその分は年金を削減するという今の基礎年金は、本当に最低保障になっているのか。最低保障部分は保険料ではなく、税でやるしかない。(財源は)消費税がいいと思っている。>

[候補者に聞く]社会保障 最大のテーマ、夫婦別姓・同性婚に賛成…河野太郎氏(読売新聞電子版)

令和2年度の国民年金の加入・保険料納付状況