エウレカ徒然備忘録

時事報道への感想を中心に、ときにアニメDVDを使った英語学習法などを徒然書いています

復興相は自らの足を食んだようなもの

 ちんぴら復興相は、被災者からもすっかり見放されて、就任後わずか10日ともたない本性に似つかわしい哀れな辞任劇となりました。地元有権者の方々にお願いしたいことは、こういう腐った候補者を2度と国政の場に送り出すという過ちを繰り返さないで欲しいことです。

 さて、この復興相が今回の被災地訪問中に行ったとされる非常識な発言「あれが欲しいこれが欲しいはだめだぞ、知恵を出せということだ。知恵を出したところは助け、出さないやつは助けない。それぐらいの気持ちを持って云々」は非常に印象に残ったので、この言葉の意味するところを考えておりました。復興相の発言は、「言い方は粗いが内容はまともだ」という好意的な意見もあったと聞きます。

 しかし、百歩譲って多少のまともな内容が含まれているとしても、被災地を代表している知事に対して、あの態度と物言いは絶対に許されないということに尽きると思うのですが、この発言もよく考えてみると、なかなか意味深長です。小生が面白いと思っているのは、少なくとも民主党という政党に所属する人びと(たとい所属する政党があまり好きではないと断っていたとしても)が、「自助努力をした者だけを助ける」という趣旨の発言をするというのはどういうことを意味するのかという点です。

 ここで思い出してもらいたいことは、民主党の中核をなす支持層とは、「子供手当」、「最低保障年金」又は「高速道路無料化」などのばら撒きを是とした比較的自助努力をしないで、政府からお金を配ってもらいたいと考えた人々です。もちろん、一昨年の総選挙では、自民党に失望した無党派層の多くが「政権交代」の2文字に踊らされて「1度民主党にもやらせてみるか」という気分で民主党に雪崩を打って投票してしまったという側面は否定できません。しかし、ここまできてまだ懲りずに民主党を支持し続けているような中核をなす支持層は、間違いなくその財源について思い至らないばら撒き待望の人々です。つまり、復興相のやったことは、これだけの失政を繰り返しても支持し続けてくれる人々に対して、彼らが最も嫌う自助努力を促し、それができないならば助けないと突き放したのです。蛸が自分の足を食んでいるのと同じ行為と言えないでしょうか。

 民主党内でも、復興相が直ちに居場所を失うほど相当叩かれていたようですから、自助努力を促すことに対して民主党支持者の拒絶反応は大きかったということが分かります。ここまで考えてみると、ちんぴらが閣僚を務めていたということと同じくらい2大政党の一角が「国から何かをしてもらうことにしか関心のない」支持層に支えられているという事実に戦慄が込み上げてくるのです。