エウレカ徒然備忘録

時事報道への感想を中心に、ときにアニメDVDを使った英語学習法などを徒然書いています

内閣不信任決議案提出と政局の行方

 野党6党は7日、消費増税関連法案の成立を阻止するため、内閣不信任決議案を衆院に共同提出しました。不信任決議案を提出したのは共産、新党きづな、社民、みんなの党新党日本、小沢一派で、「国民の多くは消費増税法案に反対しており、今国会で成立させるべきではないとの声は圧倒的多数」と指摘し、「国民への約束、国民の声に背く政治姿勢をとり続ける野田内閣は信任に値しない」と断じています。この不信任案を採決する衆院本会議は、今のところ10日になるといわれております。また、衆院不信任決議案とは別に、参院ではみんなの党、共産、社民、みどりの風新党改革新党大地・真民主、小沢一派の7会派によって首相問責決議案も共同提出されています。

 これを、呉越同舟と呼ぶのか同床異夢というべきなのかよく分かりません。新自由主義を信奉し、市場原理主義的な立場を鮮明にしている「みんなの党」というまでもなく社会主義共産主義という設計主義を信奉する「社民党」及び「共産党」が手を結び、権力の亡者「小沢一派」も野田政権打倒の主体的役割を果たそうという驚きの内閣不信任決議案が遂に日の目を見ることになりました。その大義名分、「消費税増税阻止」こそ正しい主張ではありますが、この水と油のような集団は、民主党を打倒した後の見通しをどのように立てているのか、よくよく聞いてみたいものであります。

 三党合意で消費税引上げ法案の国会通過に協力する立場をとっている自公は、さすがにこの船に乗り込むことには躊躇する見識を見せてはいますが、政局は一気に流動化していきそうな様相を見せています。自民党の指導者たちが何を考えてどう行動するか、今後の展開は要注意です。解散総選挙に持っていくだけならば、安易にこの決議案に乗るのも一手なのでしょうが、そこが目的地ではなく、その先にある総選挙に勝って自主憲法の制定を目指す本格保守政権の樹立を一つの到達点として想定しているならば、政敵たちに対してさえ筋を通すやり方で政権を奪取すべきなのでしょう。今度の自民執行部は信頼できるという「国民の信」を得ることが何にもまして重要だからです。今後、自主憲法制定を目指す保守派は、自民党内の自主憲法制定を望まない、敗戦利権にまみれているような一派と腐りきった報道機関を相手に戦っていかなければなりません。この際、身中の敵をある程度は整理しておく必要があります。とすると、今回の決議案は否決される公算が大きいと見ます。

 そして、地方首長たちの動き、とりわけ日本一の喧嘩師こと橋下徹大阪市長からは依然として目を離してはいけないのではないかと思っています。明治維新がそうだったように大きなうねりは、とかく地方から旋回し始めるものだからです。