エウレカ徒然備忘録

時事報道への感想を中心に、ときにアニメDVDを使った英語学習法などを徒然書いています

単位履修漏れのこと

高校の履修漏れ問題、弱小文部科学省の力不足が幸いしているのか、全国的な広がりを見せること、燎原の火の如しである。受験に専念したいこの時期、受験生には気の毒なことになった。

以前から感じていたこと。どうも、日本人の武士道的な正義と英米人のFairと言うのには、よく似ているのだが、微妙な違いがあるのではないかということ。それは端的には、Sportsの世界に散見される。

例を挙げると、1984年のLA Olympic柔道で山下泰裕選手は右足を負傷した。このときの決勝戦であたった相手の選手が山下の負傷した足を狙わず、Fair Playの精神を称えられた、という。これは、種目が柔道だったからなのか、非常に日本的な匂いがする。同じようなことは、2001年貴乃花武蔵丸の優勝決定戦を半月板負傷の大怪我を負いながらも貴乃花が勝って、引退前最後の優勝を飾った時にも起こった。

他方、英米のFair Playだが、例えば、2003年のRugby World Cup、この大会でJonny Wilkinsonという天才キッカーを擁した英国は、彼の力を120%活用する作戦を多用した。相手陣内で楕円球を奪取すると、Jonnyに回し、Forwardは彼を囲むように守備を行い、この隙にJonnyDrop Goalを決めると言う戦法で、英国は決勝戦でも豪州Wallabysを破って、Cupを初めて北半球に持ち帰るのに成功した。また、2002年のWorld Cupで、英国対Argentineの因縁試合において先取点を取った英国の見苦しいほどの徹底守り作戦が見られた。

どうも、これらの英国の戦い方から推測されることは、Fair PlayとはRuleを守ることがその神髄であって、精神的に体裁が悪いと言う要素はあまり重要視されていない、ということである。反面、Rule違反には、異様に厳しく、かつて、Golfのジャンボ尾崎が、Woodを打つ前に癖で地面を叩いたり押さえたりする行為がライの変更に当たると言うことで、Greg Normanにかみつかれたこともあった。だから、もし、柔道の試合で、あのエジプト人選手が、山下の負傷した右足を狙って勝っていたとしても、日本人からあいつは武道家の精神に反する卑怯な奴だと密かに思われたかもしれないが、英米人からFair Playに反する奴とは思われることは無いのであろう。

ということで、今回の履修漏れ問題は、子供に教育を授ける教師および教育委員会が、ぐるになってRule違反をやっていたようなものだから、正義にもFair Playにも反するのだが、その後始末において、どうも日本は、あまり事を荒立てても何だから、と言う感じの救済策が出てきそうな様相になってきた。Rule違反に関しては、絶対に許さないという英米流だと、どのように処理されるのか、ちょっと見てみたい気がする。