エウレカ徒然備忘録

時事報道への感想を中心に、ときにアニメDVDを使った英語学習法などを徒然書いています

人間と犬

先月か10月だったか、まだ記憶に新しい話だが、ある日のある時間帯のTopが、野良犬の救出劇になって、相当数の国民の失笑を買ったことがあった。しかし、この報道を真面目に伝えた報道機関は、綱吉の子孫が国民の多数派になりつつあり、この人たちに媚を売ろうと考えたのかもしれない。近所にそれこそ猫の額ほどの区が管理する広場がある。この広場でも、特定の時間帯になると、犬を散歩させる人々が、鎖を解いて、犬を遊ばせる。広場には「綱や鎖を解くことを禁じる管理者の注意書き」が置かれているにもかかわらず、このきまりは有名無実化しているのが現状だ。

この注意書きに、どのような根拠があるかと言うと、東京都には、「動物の愛護及び管理に関する条例」(平成18年3月9日全面改正)と言うものがある。

この条例からの抜粋によると、第一章 総則、
第一条 (目的)、
この条例は、動物の愛護及び管理に関し必要な事項を定めることにより、都民の動物愛護の精神の高揚を図るとともに、動物による人の生命、身体及び財産に対する侵害を防止し、もって人と動物との調和のとれた共生社会の実現に資することを目的とする。

第二章 第九条(動物の適正な飼養等)、 犬の飼い主は、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
一 犬を逸走させないため、犬をさく、おりその他囲いの中で、又は人の生命若しくは身体に危害を加えるおそれのない場所において固定した物に綱若しくは鎖で確実につないで、飼養又は保管をすること。ただし、次のイからニまでのいずれかに該当する場合は、この限りでない。
イ 警察犬、盲導犬等をその目的のために使用する場合
ロ 犬を制御できる者が、人の生命、身体及び財産に対する侵害のおそれのない場所並びに方法で犬を訓練する場合
ハ 犬を制御できる者が、犬を綱、鎖等で確実に保持して、移動させ、又は運動させる場合
ニ その他逸走又は人の生命、身体及び財産に対する侵害のおそれのない場合で、東京都規則(以下「規則」という。)(註)で定めるとき。

すなわち、都は飼い主に対して、犬に適度の運動をさせることは奨励しているが、戸外運動の際にも、原則はハにあるように「綱鎖保持」なのだ。また、管理者が禁じている場所が二の「その他逸走又は人の生命、身体及び財産に対する侵害のおそれのない場合」に該当するはずが無いし、犬を広場で遊ばせることは、もとよりロの想定している「訓練」ではないだろう。この規定には、罰則規定が無いが、飼い犬が現実に他人や他人の財産に実害を加え、大事になることを予防すると言う意味においても、最低限の規則は守りましょうね、という最低限のことを定めた立派な規範なのだ。そのことは覚えておいて損はないだろう。

(註)動物の愛護及び管理に関する条例施行規則

(犬の飼養の特例)
第6条 条例第9条第一号ニに規定する規則で定めるときは、次の各号に掲げるとおりとるする。

    一 犬を制御できる者の管理の下で、犬を興行、展示、映画製作、曲芸、競技会、テレビ出演又は写真撮影に使用するとき。
    二 犬を制御できる者が犬を調教するとき。