エウレカ徒然備忘録

時事報道への感想を中心に、ときにアニメDVDを使った英語学習法などを徒然書いています

安倍首相辞任に思う

昨日辺りから、次期首相候補の本命は麻生太郎氏ではなく、多数の派閥からの支持取りつけに成功しつつある福田氏ということのようだ。男の真価は見てくれではない事を安倍首相が証明して見せたが、一国の顔としてはさえないおっさんだな。この劣勢を撥ね返して首相の座を掴み取らないと麻生氏も本物ではないと言うことなんだろう。

安倍首相の言う「美しい国」というお題目について、少々考えてみた。何とも訳の分からない言葉で、前首相の「構造改革なくして成長なし」と言うのに比べると迫力が足りなさ過ぎる。「美しい国」が具体的には何を意味していたのか、小生なりに考えてみると、それは失われつつある倫理観や道徳観の復興と言うことなのではないかと言うことに行き着いた。「恥を知る文化の復興」と言い換えても良い。「恥を知る文化の復興」と言い換えてくれれば、「構造改革なくして...」位の分かりやすさは保てたと思う。

お題目が分かり易いと、行動基準も明確だ。柳沢伯夫の「女性は産む機械」発言は全くの時代錯誤発言であったかもしれないが、これが倫理に反することかと言えば、それは少し違うと思うし、金に絡んで灰色な処理をしていた大臣たちは、「知らなかった、秘書が勝手にやった、単なる誤記だった。」とどんな言い訳を言おうが、「恥を知れ」で終わりの倫理に反することだったのだ。だから、厚生労働相を辞めさせなかったのは正しかったが、それ以外は失敗だったと言うことができる。

結局「戦後体制の精算」とは、「儲かれば勝ち」主義にあまりにも偏った価値観を是正することであり、「恥を知るの文化の復興」はとても有効な手段のように思える。国家の最終目標は、「国民の安全と財産」を守ることだ。このことに異論を唱える人はごく少数だと思う。言い換えると富国強兵だが、戦後の日本は、米国に敗戦したために強兵の部分は専ら米国に頼り、富国のみが抜きん出た絶対的な価値であるかのようになった。これが所謂「平和ボケ」だが、Bubble時代とその崩壊は精神の荒廃の進行に拍車をかけ、小泉改革新古典派経済学的な貧富の差を必然的にもたらす政策でもあったため、治安の悪化は外国人労働者流入とも相俟って当然のごとく進行した。

安全の核心部分を他国に委ねている現状で、憲法第9条論議など、細かい論点は挙げればきりがないが、自国の安全部分の核心を委ねている同盟国に協力しないなどと言う選択は在り得ないし、「恥を知る文化の復興」の文脈で言えば、「小澤の言っていることは卑怯であり、人間としての恥を知らない行為だ。」の一言で終わる議論だ。さらに言えば、自国の安全の核心部分を他国に委ねて独立国でございますと称している人間は、「恥を知らない人間」の集団と言われても仕方がない。

今の若い奴と言うが、今の若者は結構しっかりしている。今日も恥を知らない人たちを見かけたがこれらは、50代後半から60代のおっさんとおばさんだ。街の店舗で顧客の列があるのに、これを無視して割り込んでいたのは、たまたま年恰好からこれくらいのおっさんとおばさんたちだった。店員に注意されると逆切れする馬鹿までいる。この年代は戦後の第一世代ではないかと思うが、非常に示唆的だ。