エウレカ徒然備忘録

時事報道への感想を中心に、ときにアニメDVDを使った英語学習法などを徒然書いています

「龍馬伝」最終回

NHK大河ドラマ龍馬伝」が先週最終回を迎え、今週から「坂の上の雲」の第二部が始まっています。個人的には、福山雅治主演の龍馬伝、「そんなに悪くない」と思っているのですが、演出及び撮影方法などに対する批判は結構多かったようです。特に、最終回の龍馬暗殺場面で流れた愛知県知事選結果か何かのテロップが「この場面で流すか?」という抗議殺到となったと聞いています。小生は、鈍いので実を言うとそれほど気にはならなかったのですが、あの暗殺場面は作品を通じて賛否両論だった、逆光を使ったような暗い撮影方法と相俟ってよく分からなかったというか見えなかったというのが実感です。

暗殺場面に象徴されるように、時間を延長して放送した最終回は、確かに大したことはなかったと小生も思います。その理由は、一般に言われているようなことではなくて、龍馬の最後の大仕事となった大政奉還について、そして、その大政奉還こそが龍馬が命を縮める直接の原因となったわけですが、その肝心の大事業についての詰めが非常に甘い演出になっていたことです。

第一に、龍馬が大政奉還を成功させたにもかかわらず、明治維新における内戦を完全には、回避できなかった理由は何なのかという点です。勿論、明治維新における内戦は、犠牲者の数において仏革命などに比べて桁違いに少なく、英国の名誉革命に匹敵するものだったと理解しています。しかし、それでも徳川将軍家が政権を放棄したにもかかわらず、会津などが抵抗したのは何故なのか、幕藩体制の要である幕府が政権を投げ出しているのですから、この戦いは論理的には無意味な戦いです。反薩長の奥州各藩の思惑、薩長主戦論の動向なども絡めて納得のゆく演出が欲しかったと思っています。近藤勇を見せるだけでは説得力はあまりないです。

第二に、大政奉還で政権を返還される側の反応はどうだったのかという点です。龍馬の工作は、土佐藩及び幕府におけるものばかり強調されて、返還される側の朝廷が全然描かれていませんでした。まさか、何の事前工作もなくて、「返していただけるのならば何でもいただきます」ということはなかったのでしょうから、朝廷側に関することがほとんど描かれてこなかったところに奇異な感じを持たざるを得ませんでした。

最終回が、ぱっとしないものになって、この作品の評価は、せいぜい並の大河ドラマといったところになりそうですが、全体としては「外敵に対して命を賭して国の独立を守った志士」らという主題は十分に伝わってきており、偶然ではあったのかもしれませんが我が国における外敵の脅威が顕在化した本年にふさわしい作品だったと思います。

日本が、この数年より多少ともましだった時代のMerry Christmasu 動画で、

Merry Christmas!