エウレカ徒然備忘録

時事報道への感想を中心に、ときにアニメDVDを使った英語学習法などを徒然書いています

「トラ、トラ、トラ」の日に思う

 今日12月8日は、連合艦隊がハワイ真珠湾攻撃を敢行し、日米が開戦した日です。この真珠湾攻撃については、様々な専門家や評論家がいろいろなことをおっしゃっておられます。当時の帝国海軍は、世界有数の実力を持っており、米国人の恨みを買うような奇襲攻撃をわざわざ仕掛ける必要などなかった、しかも、海底の浅いハワイの港に停泊中の米国艦隊を沈めてもどれだけの打撃を敵に与えられたのか疑問であるという意見です。

 むしろ、正々堂々フィリピンを落としてインドネシアに至るこの海域を守りつつ、米国艦隊を迎え撃つ方式を採るべきだったのではないか、そうであったならば、艦隊運用や個々の水兵の技量に勝る帝国海軍が日本海海戦の再現とまでは行かないまでも、決定的な海戦の勝利を収め得たはずだというのです。このあたりが、山本五十六無能説、挙句はスパイ説などのトンデモ意見が唱えられる所以なのでしょう。機会があれば、軍事戦略の専門家の意見を一度聞いて見たいものです。

 そして、米英との戦端を開いたこの日は、世界一強い帝国陸海軍を有しながら、国際的に孤立し、世界を相手に戦争をすることになって悲惨な敗戦を迎えることになったのはなぜなのか、考えて見る日でもあります。現象だけを見れば、米英を始めとするいわゆる国際社会を相手に戦争を始めてしまったこと、つまりは、「国際的孤立」が敗戦の真の原因だったといえるでしょう。

 日本は、明治維新以来、最も危険な脅威は、露西亜と考えて安全保障政策を打ち出して来た国です。米英については、日英同盟を結んでいた英国は言うに及ばず、米国は開国以来の友好国でした。それが、この昭和初期どういうわけか、共産主義という脅威も加わった露西亜が忘れ去られ、世界を相手に戦争をするところに追い込まれてゆきます。敗戦の経験から今我が国が絶対に忘れてはならないことは、次のようなことになるでしょう。

1.戦争は、できる限り回避する。
2.どうしても回避できないときには、多数派工作をして味方をできる限り多数つくる。
3.国際的孤立だけは、絶対に避ける。