エウレカ徒然備忘録

時事報道への感想を中心に、ときにアニメDVDを使った英語学習法などを徒然書いています

2014年都知事選途中経過(2)

 2014東京都知事選挙前日の土曜日、東京は大雪となりました。積雪が残ることが避けられそうにない投票日、雪は「吉」とでるのか、はたまた「凶」出るのか、予断を許さない状況です。

 今回の選挙の主な争点を思いつくままにまとめておくと、

 第1に、「原発」存続の諾否の問題です。細川・小泉元首相連合が候補に名乗りを上げた際、主要報道機関は、原発問題単独論点選挙の流れを作ろうと動いたようですが、不発に終わりました。主要4候補の中で、細川候補及び宇都宮候補が反原発、舛添候補が反原発に傾きつつ政権与党の方針にそう消極的原発容認、田母神候補だけがエネルギーのベストミックス及び経済成長優先の観点からの原発再開推進派の立場を採っておいででした。

 第2に、靖国神社に参拝するか否かの問題です。靖国神社参拝を明確に表明したのは、田母神候補だけでした。

 第3に、東京の治安維持に絡んだ外国人地方参政権の問題です。これも田母神候補は絶対反対を唱えておいでですが、他の3人は過去の言説などから肯定又は容認されておいでのようでした。

 第2、第3の論点は国家観の問題ですが、報道機関は全く取り上げようとはせず、そもそもテレビなどでの討論会も行われずじまいでした。しかし、田母神氏の街頭演説を聞きに行くと、他の候補との違いを鮮明にするために必ず言及されておられた点でもあります。

 さらに、来るべき首都直下型地震などの災害に備えて東京の防災を万全にすること、2020年に予定される東京五輪の準備を恙なく進めることなど、誰が考えてもやらなければならない当たり前のことですが、候補の国家観により若干の印象の違いは感じられました。とはいえ、原発以外に何の政策も考えておられない細川候補の口から何か具体的な政策が出てくると期待する有権者もあまりいなかったことでしょう。

 さて、選挙中盤に公表されていた新聞等の世論調査によれば、舛添候補が大きくリード、細川候補、宇都宮候補、田母神候補と続いていたものが多かったようです。細川候補は、主要報道機関の期待もむなしく、見物人は集まれども支持者は増えずといったところで、やはり、政権与党の組織票に支えられた舛添候補の優位は不動のようにも見えます。宇都宮氏も共産党からの組織票は確保できるものの、当選には手がとどきそうにないように思えます。

 読めないのは田母神候補の得票数で、ネット上の人氣はダントツでしたが、期日前投票の聴き取り調査でも2位に浮上してきたという指摘もあります。組織票の支えを持たない同氏の拠りどころは、保守層を中心とした浮動票であり、有志の応援団及び運動員に支えられ、その主張は相当程度有権者の心に浸透したかに見えます。そこで、今日の大雪が有権者の投票行動にどのような影響を及ぼすかです。おそらく、田母神氏の中核的な支持層である保守層は、天候に係らず投票所に足を運ぶことになるのでしょう。また、遊説に接して投票を決めたような人たちも投票所に足を運ぶと期待できます。一方、大して選挙を大事に考えておらず、義務感から投票所に出かけていたような人々は投票行動が天候によって左右されやすく、楽勝氣分に油断をしている候補への投票数を減らす影響が大きいかもしれません。特に、ネットに接していない高齢者の投票がかなり減るのではないかと予想されます。