エウレカ徒然備忘録

時事報道への感想を中心に、ときにアニメDVDを使った英語学習法などを徒然書いています

平成26年度日本経済の憂鬱

 間もなく、平成26年新年度が始まります。言うまでもなく、平成9年(1997年)以来の消費税増税が実施されます。これに伴い4月以降は、消費税増税前の駆込み需要の反動が出て景氣が落ち込むと予想されています。しかし、多くの経営者、エコノミストを含む多数派は、年末までに景氣は立ち直り、現在の回復基調に復帰できると見ているようです。国際機関のIMFも、我が国の今年の成長率の見通しを1.7%に上方修正したようです。

 このような多数派の楽観論に対して、経済評論家の森永卓郎氏は、大変に違和感を覚えるそうです。森永氏は景氣に関してより慎重な立場で、その骨子は次のような内容です。

1.平成26年度の消費者物価上昇率は4%程度になると予想される。第一に、消費税で2.5%、第二に、金融緩和やエネルギー価格の上昇に伴う電氣料金の値上げなどで1.5%の物価押上げ要因が考えられる。

2.肝心の賃金上昇率は、1%未満に押さえられている。従って、実質所得は3%超の減少となる。これは、戦後最大の所得減少になる可能性が高い。

3.65歳以上の年金受給者の場合、年金額が0.7%引下げられるので、実質所得は4%近い減少である。

4.4〜6月期の景氣の落込みは、駆込み需要の反動とみて、楽観論は生き残るであろう。そこで、問題は7〜9月期の景氣だが、この期の速報値は11月、改定値は12月に公表される。来年10月に消費税再増税を行うか否かは、この12月の統計に基づいて判断されることになると予想され、12月は日本経済の将来を決定する重大な月になると思われる。

 森永氏は、このような大幅に実質所得が減少する環境の中で消費が落ち込む可能性はきわめて高く、景氣が深刻な低迷・後退期に再突入してしまう虞が高いと指摘しています。