エウレカ徒然備忘録

時事報道への感想を中心に、ときにアニメDVDを使った英語学習法などを徒然書いています

人民元切り下げの報道

 昨晩の世界の金融市場は、「人民元大幅引き下げ」のニュースで揺れ動いたことが見て取れる結果になっています。このことを、意外なほどに日本の新聞・テレビは報じていません。今朝のNHKニュースは、全く人民元関連に言及しておりませんでしたし、日経紙にしても、次のような記事です。

=== 日本経済新聞電子版 8月12日 ===

【北京=大越匡洋】中国の政策当局が矢継ぎ早に景気対策を打ち出している。中国人民銀行中央銀行)は11日、輸出のてこ入れを狙い、人民元の切り下げに踏み切った。2%近い大幅な切り下げで、景気失速への当局の強い危機感が映る。

 「貿易黒字を確保し続けるため」。人民銀は11日の声明で、中国の通貨制度で人民元相場の起点となる対ドルの基準値を前日に比べ約2%切り下げた狙いの一つをこう説明した。中国の7月の輸出は前年同月比8%減った。卸売物価指数は7月まで41カ月連続で下落し、中国の製造業はデフレ圧力にさらされる。中国当局は毎月のように金融緩和に踏み切り、景気の下支えを強めている。7月末の通貨供給量は前年同月末より13.3%増えた。しかし、金融緩和の効果が行き渡るには時間がかかるため、今年の政府目標の「7%成長」の達成を危ぶむ声はなお多い。景気への厳しい認識が中国当局を元安誘導による輸出支援へと走らせた格好だ。

 習近平国家主席の訪米を9月に控え、その前に経済運営の足腰を固めたいとの思惑も透ける。もっとも、米国は「人民元は過小評価されている」との立場だ。李克強首相も今年4月、フィナンシャル・タイムズの取材に「輸出刺激のために通貨安にすることはできない」と述べていた。元安誘導は米中関係の火種になり得るもろ刃の剣だが、それでも通貨切り下げを決断したところに中国の苦しさがにじむ。

=== 一部転載 終わり ===

 一方、英米の報道機関は、重大事件扱いでかなり辛らつな報道を行っている。
 a move that could raise geopolitical tensions and weigh on growth elsewhere 
 米国の幹部議員ら、中国の人民元切り下げを「挑発的」と非難