エウレカ徒然備忘録

時事報道への感想を中心に、ときにアニメDVDを使った英語学習法などを徒然書いています

山羊の呪い解ける

 米国で生まれたBaseballは、明治期に我が国に移植されて「野球」になり、日本人の嗜好によほど合っていたのか、国民的なスポーツのとして今日に至るまでその地位を維持しています。今年のプロ野球の画期的な出来事といえば、四半世紀ぶりの広島カープによるセ・リーグ制覇もその一つではあるのでしょうが、セ・リーグについていえば、何といってもかつての人氣球団が完全な悪役になってしまったことではないかと思います。一方、パ・リーグの方は、大谷選手が人間離れした能力を発揮して注目度第一の日ハムがリーグ制覇を成し遂げ、日本シリーズも勝ったことです。

 さて、本場のBaseballはどうだったかといえば、ここまでワールドシリーズの死闘が繰り広げられていたのですが、遂にシカゴ・カブスクリーブランド・インディアンスを破って1908年以来108年ぶりのワールドシリーズ制覇を成し遂げたとのことです。日本では、伝統ある老舗球団としてヤンキースの名が思い浮かぶ人が多いかもしれませんが、ヤンキースより球団創設が古い球団もいくつかあって、シカゴ・カブスもその一つです。しかし、老舗球団のカブスボストン・レッドソックスには、それぞれ「山羊の呪い」と「ベーブルースの呪い」と言われたジンクスが存在し、2度とワールドシリーズに勝てないとされていました。数年前にレッドソックスワールドシリーズを制して、ようやくベーブルースの呪いの方は魔力が無くなったことが証明されていましたが、山羊の呪いの方はここまでその魔力を保ち続けていたのです。

 山羊の呪いとは、1945年、本拠地でのワールドシリーズ第4戦で、ペットのヤギの臭いを理由に、強制退場させられたファンが「カブスは二度と(ワールドシリーズで)勝てない」と吐き捨て、呪いをかけたと言う話のことです。実際、この年はタイガースに第7戦で敗れると、今季までの70年間、ワールドシリーズにすら進出できない時代が続くことになりました。しかし、山羊の呪いの年が1945年というのは偶然とはいえ、意味深な感じがします。予想だにしなかった様々な出来事が連続して起こり、そうでなくても戦後秩序が崩壊していきそうな兆候が各所で顕在化した今年だからこそ、シカゴも遂にその山羊の呪いの魔力から解放されたのかもしれません。

 今年も残すところ2箇月足らずとなりましたが、まだまだ何が起こるか予断を許さない日々が続きそうです。

Cubs End 108-Year Wait for World Series Title, After a Little More Torment