エウレカ徒然備忘録

時事報道への感想を中心に、ときにアニメDVDを使った英語学習法などを徒然書いています

エウレカセブンを見終わって-その四-

Eureka seveNの物語の中の主要登場人物は、主人公Renton、Heroin Eureka、副主人公と言った感じのHollandを筆頭としたGekko Stateの面々となりますが、その外に、もう一組のCouple AnemoneとDominicが敵役で登場します。特に見るからに禍々しい黒いLFO、The Endを操る謎の美少女Anemoneは、もう一人のEurekaと言った存在でした。一体彼らの存在は、どういう意味があったのか? 私は、EurekaとRentonが持たない人間の負の部分や暗黒の部分を背負ったもう一人のEurekaとRentonだったという解釈です。以前に書いたとおり、物語の勢いの源泉として、Rentonは、少々非現実的なほどにまっすぐに描かれています。また、Eurekaは、血に穢れた過去を持つとは言え、自らの意思で戦争孤児を引き取って罪を償おうとしており、元々「正」の素地があったものと思われます。それがRentonのような少年と恋に落ちてRenton色に変わって行くわけですから、この二人に、人間の持つ暗黒面を求めるのは、かえって不自然です。そこで、戦争で家族を失い天涯孤独となった過去を持つDominicと、絶望病患者を無理やり蘇生させて人型Coralianもどきを造り出すNovac財団で生み出されたAnemone、この二人が負の部分を象徴する役割を担って登場したのではないかと思ったのです。しかし、この二人でさえ、愛に目覚めることで最終的に救済されます。だから、EurekaとRentonが生還しないはずは無いと誰しもそう信じる訳ですが...。それにしても、Dominicは真性のMですね。

この物語の登場人物の中に極悪人は結局いなかったのではないだろうか。そして、Rentonと言い、Dominicと言い男がよく泣く。Hollandでさえ、Gekko Stateを作った自分の気持ちを、「Refの出来るこの星を、このダサい俺をずっと好きでいてくれたお前に出会えたこの星を壊す存在が許せない」と恋人のTalhoに涙ながらに告白する場面(第33話Pacific State)がありました。

Wikipediaの記述によれば、Eurekaは中東問題を暗示していると言う見方もあるそうですが、Eurekaについて言えば、この点はほとんど気にならなかった。確かに最近のTBS系Animeには、明らかに反米を織り込んだものなど、最近の国際政治情勢を暗示しているのが見え見えの作品が、私が知る限り2本程あった。これらは作品としてはまったくヘタってしまい、失敗作に終わっている、と思う。Eurekaの場合、「真の約束の地」などと言う言葉こそ使ってはいるが、そこまで穿って見るのはどうだろうか?

むしろ、登場人物の出自こそ、国際的になっているが、乗り物の名前が月光号に出雲であったり、約束の地で最初に見えたのが日本列島、月光号の艦内電光表示がほとんど日本語で、こう言った無国籍になり易い主題を扱っている割には、Staffに愛国主義者がかなり多かったのではないかと推察した。Nirvashの別名Type Zeroと言うのも、Zero Fighter、つまり零戦から来ているのでは。なんて、これこそ、穿った見方でしょうか?