エウレカ徒然備忘録

時事報道への感想を中心に、ときにアニメDVDを使った英語学習法などを徒然書いています

エウレカセブンを見終わって-その三-

米国株が強い。昨晩も、NYDOWは、史上最高値更新です。ここ数年足を引っ張ってきた2大要因の消滅、1.金融引き締めの打ち止め、2.原油上昇の小休止? +中間選挙後を見越した先行買いなどが主な要因か? ドル高も、対円では、Inflation抑止のFedとDeflation克服の日銀の意図が合致した形で、しばらく続くのだろうか?

さて、もう1つ、交響詩Eureka seveNで特筆すべき点は、Robotものに「哲学と宗教」を持ち込んだことだ。私は、ここで哲学や宗教を厳密に定義する能力も力量も持ち合わせてはいないが、「宇宙とは何か、神とは何か、なぜ人間は生きているのか」と言った本源的な問いを発し続けることが、哲学的、宗教的であるとするならば、Eurekaの主題は、RentonとEurekaの恋物語という第一の主題を敢えて脇に置くと、正にその点に行き着く。Frankensteinの怪物のような人造人間が造れたとして、それに命の火をともす「気」のようなものの源は何か。これに類するような問いが、Traparとは何か、Sky FishがTraparの集まるところ、人間が楽しい気分でいるところに集まるのはなぜか、ということである。また、地球を覆った大地Scab Coralが知的生命体であり、これらが全て目覚めると「件の限界」を超え、物理宇宙は崩壊する。それが起こってしまったとき、人はScabと融合して、意識としての存在になるしか生き残る道がない、その「件の限界」を阻止して、人類とScabの共存を図ることができるかと言うのが、EurekaとRentonとに与えられた解決しなければならない最大の命題でありました。

こう言ったひどく哲学的で宗教色の強い主題が物語を貫いていることが、先にも書いたようにEurekaは「なんだかよくわかんねー。」と言うところが多すぎる主な要因だと思います。しかし、それが、けっして作品のすばらしさを損なうことにはなりません。例えば、Gundamで機械としての性能に差のあるMobile Suits同士が戦闘を行い、性能が劣るほうが勝った場合、せいぜいPilotがNew Typeだったから。そう、人はNew Typeとして進化し、より分かり合えるようになるのだ、と言うようなことで話は終わると思います。ところが、Eurekaでは、何せ、Nirvashは心を持った機械なので、性能など二の次の話で、むしろ、Riderの「気」とか「思念」に反応して、力を解放します。反面、Riderに迷いがあったり、Nirvashの側にそれ相応の理由があったりすると、不調になったり、下手をすると動きもしません(第26話“Mornig Glory”)。こういうのは、下手をするとRobotものの否定にもつながりかねませんが、心とはそういうものだと言うことに誰でも気づいているので、物語の構成が良くできていることも手伝って、全然違和感はありません。やはり、Eurekaは、Robotものに画期的な新境地を開いたと言うべきなのでしょう。

EurekaとRentonは、どうなったのでしょう。二人は、一緒になって地球に残ったのですが、Scabと融合して「意識」だけの存在になってしまったのか? ここで、疑問なのは、Eurekaが歳をとるのかと言う点です。もし、彼女がいくら人型とは言え、歳をとらない存在だとすると、人であるRentonは、永久に彼女と結ばれるためには結局意識としての存在になるしか、選択の余地はなかったということなのかもしれません。やはり、Eurekaは永遠の謎です。