エウレカ徒然備忘録

時事報道への感想を中心に、ときにアニメDVDを使った英語学習法などを徒然書いています

今頃厚生労働相発言について

社会保険労務士と言う資格は国家資格で、管轄は厚生労働省です。従って、平成18年の合格者に手渡された合格証書は、柳沢伯夫厚生労働相名である。合格者にとって、その価値は何にも代えがたいものだが、その価値に更に付加価値(?)が付いたと思って良いのだろうか。

さて、件の大臣。件の発言は、実際現場で講演を聞いていた訳ではないので、正確な判断ではできないが、やはり、非常に不適切な例えであったと断ぜざるを得ないだろう。発言が伝えられた日曜日、安倍首相の対応は、三つしかなかったと仮定する。

その一、大きな時代の流れに逆行する問題発言であり、選対効果も鑑みて、即座に辞任させる。逆らったら、罷免。その二、与党、野党の反応、世論の動向を見ながら、辞任、続投両面作戦で柔軟に対処。その三、原則、失言は、大臣の辞任・罷免理由にはならないとして、あくまで突っ張り通す。

あえて、倫理論、見識論などは全て捨象して、安倍政権の人気上昇効果と言う観点からのみで論じるとすると、どの選択が一番効果的だったのだろう。今となっては、手遅れだが、その一は、瞬発力が必要だが、一番無難な選択だったと言えるかもしれない。しかし、この選択をしても、一応与野党からの内閣への批判は、有り得ただろうし、首相の任命責任も少しは追及されただろう。それと引き換えに、首相の得るものは、何があったのだろうか。危機管理の手腕に対する評価? その二は、指導力の問われている首相が取りたくない選択肢だろうし、問題が長引く割に効果の伴わないまずい選択だと思う。その三は、女性票を完全に失うという危険を伴う。しかし、直接的には、柳沢およびその出身派閥に恩が売れる。内閣の結束が高まるという効果を生む可能性がある。そして、審議拒否をする野党が悪いと問題をすりかえることに成功すればの話だが、与党の結束が強まり、野党を潰せる、という間接的・副次的効果が、うまくすれば期待できる。安倍首相には、もはや、三番目の選択しか無いのではなかろうか。ここは、安倍さんのがんばりどころかもしれない。喧嘩の売り方・買い方は、前首相からしっかり伝授されているはずだ。しかし、賭けに失敗して、教育や憲法改正をやろうとしている安倍内閣が、こんなことで痛手を被り、選挙も負けて短命に終わるとしたら、日本にとって良くないなと個人的には思っている。

ところで、少子化の問題は、去年のある時期、学者上がりの新人女性議員が、専任相でやることになっていたのではなかろうか。安倍さんは小泉さんのもっとも正統な継承者で、継続性をもった内閣というふれこみだったはずである。それが、いつの間にかこんなおっさんが担当になっていたのか。この期に及んで、少子化問題のような長期的な超重要案件においても、大臣は所詮お飾りに過ぎないということなんだろうか。