エウレカ徒然備忘録

時事報道への感想を中心に、ときにアニメDVDを使った英語学習法などを徒然書いています

給湯設備と床暖房

昔、ガス湯沸かし器と言えば、パロマと言う時代もあったが、人殺し暖房機を販売していたことが広く知れ亘ってしまった同社に代わって、近年給湯器市場を席巻している観のある会社がある。5943ノーリツだ。株価2320円で、PER28.74、PBR1.3、自己資本比率60%。さすがに少々割高感があるが、PBR1割れは、どう見ても買いだ。

我が家の給湯器もノーリツ製だが、その定期点検の日、やってきた東京ガスの作業員と立ち話をしていて、面白いことを聞いた。ノーリツの給湯器が沸かすお湯が提供される風呂場の通風設備(浴室乾燥暖房機)は、松下電器製、まっ、これは分かる。ところが、床暖房は、何と、住友商事東京ガスの共同開発した技術を使っていると言うことだった。なんでも住友商事は、それまで床暖房に使われていた銅製の配管に代わる特殊樹脂を開発、これが床暖房用の配管として20年程度の耐久性を有し、役所の許認可も下りた。この特殊樹脂配管によって、工事が圧倒的に速くかつ割安にできるようになったのがこの十年にもならない最近の出来事なのだそうだ。床暖房の普及は、一度でもその味を占めた人たちが益々それを欲しがる傾向に拍車をかけ、大量受注は単価の下落をもたらし、更に普及に加速がつくと言う好循環につながったらしい。ちなみに、この合成樹脂配管方式は、旧来の銅製を敷き詰める方式の一畳分の費用でそこそこの居間全体にいける程度の画期的な値下げ効果をもたらしたようだ。

しかし、これを開発したのが、住友商事であると言う事実に、2度びっくりだ。商社不要論は、30年以上出ては消える議論だったが、商社は、我が国が貿易立国として立とうとした時には貿易を支え、Bubbleの時には不動産や金融に手を染め、傷ついても傷ついても立ち上がり、今、起業やVentureの時代には、こんなことまでやっているのかと、そのたくましさにただただ脱帽してしまった。8053住商2300円、PER14.38、PBR2.10。最近のBRICSの台頭に伴う重厚長大の復活に負うところも大きいと思われるが、総合商社も完全復活は、それだけじゃないな。