エウレカ徒然備忘録

時事報道への感想を中心に、ときにアニメDVDを使った英語学習法などを徒然書いています

蒼穹のファフナー

GyaOで放映中なので、まとめて10話ほど見てみました。絵は、Gundam Seedと同じですが、物語はEvangelion系です。私は、第8話「確執」から見ましたが、1話見ただけでそう感じました。Wikipediaにも、2004年の番組放映時から盗作批判があったとの解説が書かれております。Eva支持派でなくても、そう思うのは全く自然と言えるほど、物語は酷似しています。それ程、Evaの発想は画期的で、それ以後のRobot Animeに与えた影響力が大かったと言うことの証拠の一つなのでしょう。

しかし、回が進むにつれてEva盗作説も公然とささやかれるこの作品、Eva不支持派の私の目からすると、意外と奥が深いようにも思えてきた。出来は、Evaより良いかもしれない。宇宙の根源的存在でもあるかもしれない「フェストゥム」と所詮その宇宙の根本の派生に過ぎないが、しかし、個であることを選んだ人間と言う存在、この世界観は卓越している。

以下独断と偏見で、Evangelionとの比較をずらずらと書く。第一に、この作品はEva程エログロに走っていません。私の感性では、Evangelionはあまり気色の良いRobotではありませんが、FafnerはGundamには及ばないとは言え、十分観賞に値します。また、Evaのような過剰な性描写も暴力も今のところ見られない。

第二に、主人公真壁一騎は、アムロ碇シンジのような根暗ではありません。考え込んでしまい常に自己否定してしまうと言う悪い癖がありますが、けっこう根性でFafnerを操縦しているようでもあり、好感が持てないことはありません。彼は、少年主人公の王道を行く成長する主人公です。Heroin真矢もおっとり型ですが、前向きで思いやりのある良い娘です。彼らを取り巻く、竜宮島のFafner操縦士の子供たちも前向きに彼らの運命と向き合っている者が多く、一方、大人たちは真壁史彦やその盟友溝口恭介など、生き残るために過酷な運命を強いている子供たちに対して、大人としての責任を放棄するようなことは決してしない立派な人たちです。この点は、Evaの碇ゲンドウなどよりも、EurekaseveNの月光号の脇役の大人たちやBeams夫妻に近い。

第三に、この辺りは、この十年間の映像技術の進歩なのだろうが、Evaに比べて絵が綺麗なこと。これは、暗い第三新東京市が主戦場だったEvangelionに比べ、沖縄を思わせる亜熱帯の島が主な戦いの舞台になっていることにも因るのだろう。

最後に、Evangelion流の訳の分からぬ敵との果てしない戦いだが、「使徒」などと言う本当に最後まで全く意味不明な敵で終わってしまったEvaに対して、こちらの「フェストゥム」は、少しは実体があり、分かりやすい。深読みすると、宇宙の全てを創造した根本、個にして全体のような存在が、その根本からの派生である人類に対して、その根本と同化するのか個として生き続ける道を選ぶのかと言う問いかけが、敵の発する「あなたはそこに居ますか?」と言う言葉の意味かもしれない。この点は、最後まで見てみないと何とも言えない点だが。もちろん、最終回第26話まで見るつもりだ。