エウレカ徒然備忘録

時事報道への感想を中心に、ときにアニメDVDを使った英語学習法などを徒然書いています

創聖のアクエリオン

創聖のアクエリオン」26話見終わりました。うーん、この作品を果たしてReal Robot Animeと言って良いのか、非常に悩ましいところです。Evangelion以来、難解な世界観にこだわっているRobot Anime、 例えば、EurekaやZegapainの対極に位置するような作品で、人気が出たのは何となく理解できるのですが、私としては視聴をお薦めしません。ただし、AKINOの歌う「一万年と2千年前から愛してる」と言うさびの主題歌は、一度聞いたら忘れられない最高の出来の良さです。

評価が低い理由を分析すると、第一に、Robot Action方面です。Aquarionといえば合体ですが、CGを駆使した画像は、これが売りだけに群を抜いている感じもいたします。しかし、Vector Machineの合体時に主人公やHeroinがそれこそ合体のときの喘ぎ声をあげるのは、良く分からない設定と言うか、やはり冗句なんでしょうね。主人公Apolloの繰り出す、月まで届く無限パンチも単なる冗句。とすれば、こういう作品に、Aquarionの動力源は何かなどと言う疑問を持つこと自体滑稽なのかもしれません。この点で、MS Gundam Seriesは、最もしっかりしているみたいで、最新のGundam00でもGN粒子と太陽炉と言った理屈を用意してくれていて、個人的には好感がもてます。Evangelionなんか電力供給するコードつけて走っている。こう言うRealismが好いのです。

第二に、人間関係の描写ですが、浅いの一言に尽きます。SoccerのPierreのような訳の分からない登場人物は、物語の中の意味づけが最後までわからずじまいで、居ても居なくても良かったんじゃないだろうか。不動指令は、確かに物語進行上、重要な役割を演じていたが、しかし、この人物のことは何一つ分からずじまい。あれだけ偉そうに御託をならべた上に、Apolloたちだけを地球存続のための犠牲にして、自分はのうのうと生き残っているとしたら驚きだ。そして肝心の主人公Apollo、こやつの性格描写もさっぱりで、何でこういう行動をとるのかと言う必然性が全然描きこまれていない。人間の描き方が浅いので、主人公、Heroinなどの人間的な成長なり、人としてどうあるべきかなど、製作者の主張についても不動の口を借りて偉そうなことを語らせている割には、非常に薄っぺらい。

第三に、世界観。そもそも、これをAquarionに求める方がいけないのか。Eurekaはもとより、Evangelion、Zega、Rahxephonなどとは比べようもない。しかし、この世界観の希薄さが、人間描写の浅さにもつながっているようにも思える。あまりに難解で、視聴者のほとんどが理解不能な世界観では困るが、Robot Anime作品に深みを与えるのは、良く練られた世界観の確立があってこそだ。

結局この作品は、余程の合体Robot Maniaでもない限り、単なる冗句として見る程度のものと言うのが今回の結論です。しかし、主題歌は好い。カラオケの持ち歌に加えておこう。