エウレカ徒然備忘録

時事報道への感想を中心に、ときにアニメDVDを使った英語学習法などを徒然書いています

人を殺さないロボアニメ

現代Robot Animeの3要素は、1.Robotによる戦闘Action、2.複雑な人間関係、そして3.世界観です。Robotによる戦闘はそれ自体がRobot Animeの見せ場ではありますが、多くの場合若年の少年少女である主人公が、それを通して葛藤しつつ成長していく様子が描かれます。彼又は彼女らは、当初敵のRobotなど当面の対象物を殲滅することに専念しているため忘れがちですが、あるとき敵のRobotも有人で操縦されていることに気付き、自分たちの戦いが殺人に直結しているという事実に直面します。ここで、この事実にどのように対処するか、自分をどう納得させて明日の戦いに臨むのか、そこに主人公の個性が表れ、Robot Animeに一種の深みを与える最高の調味料になるのです。

EurekaのRentonやGundam Seedのキラ・ヤマトのように殺人を犯さないために敵のRobotの操縦席を決して狙わない戦い方に切り替えたりと、人それぞれですが、この問題は絶対に一度は正面から取り上げないと、Robot Animeが実に薄っぺらいものになってしまいます。もちろん、Evangelion使徒ように敵が人ならざるものである場合はそうではないのですが、同じような世界観Robot  AnimeのFafnerでは、人ならざるものとの戦いを描いていながら、Fafnerは人を殺すためには戦わないという主題についてもしっかり押さえています。

この点で駄目だったのは、Anime版 Ridebackで、最終回は無人のRobotとの戦いでお茶を濁してしまい、主人公尾形琳は、白ライド攻撃の時に若干味わったこの葛藤に最後まで真正面から向き合うことなく物語が終了してしまいました。そして、BONESがEureka以来の本格Robot Animeとして日曜17時の枠で制作している「Star Driver 輝きのタクト」です。SunriseがあのCode Geassを放映した時間帯であり、BONESもそれなりに力を入れている作品だとは思います。

が、 BONESらしくない薄っぺらい印象になっているのは、Robot Battleでいくら激しく戦っても有人Robotを操縦している敵が死なないでへらへらしていることと無関係ではないと思えるのです。BONESでもこういう駄作を制作することがあるのだと、改めて考えさせられたBONESとEurekaSevenへの思い入れが強すぎる小生でした。