エウレカ徒然備忘録

時事報道への感想を中心に、ときにアニメDVDを使った英語学習法などを徒然書いています

幕末機関説 いろはにほへと

数日は出かけられれば、と思っていた大型連休後半だったが、社労士事務指定講習の第三回目提出課題の仕上げに費やしてしまった。とは言っても、時間ばかりかかる作業の合間、水泳に行ったり、Animeを見たりして気分転換は盛んに試みていた。

Sunriseは業界の大企業だからなのか、傑作も作るが駄作もつくる。USENのPC TV“GyaO”独占配信という目新しい方式を試みた「幕末機関説 いろはにほへと」でしたが、残念ながら見るに値しない駄作と断定したい。幕末の歴史考証をしっかりやって、個人的には買っていた大橋誉志光監督も関わっていたので、多少の期待を持って見ていたのでしたが、最初から最後まで駄目でした。映像的に美しいなと思うような場面も、やや見られましたが、褒められた点は唯一そんなところで、最後まで、物語の根幹にあるはずの「覇者の首」が我が国の歴史に及ぼしてきた影響、それを阻止するための主人公秋月と「月涙刀」の人間性や意味付けが伝わってこなかった。そのため、主人公が動いても、なんでそう行動したのか、全然説得力もなく、訳が分からないうちに終わってしまった。同じSunriseでも、08MS小隊と見比べてみれば明らかだが、登場人物の性格や個性がはっきりと伝わってくる08に比べ、この作品の登場人物は、皆人形かRobotのようで感情移入など全くできなかった。だから、感動など微塵もない作品に成り下がっている。

駄作の度合いは、主人公の考えていることが分からないと言う点で、去年TBSが放映したIGの「Blood+」程度か? Blood+は、序盤から中盤にかけて、それ程悪い作品とは思わなかったが、終盤あれ程完全に崩壊してしまった作品というのも珍しい。Production IGもタツノコの系譜のようで、代表作は何と言っても、と言うか、IGと言えば、「攻殻機動隊」なんだがな。

しかし、Sunriseは、更に上を行く「超」や「超弩級」の付く駄作を作っていて、それが、Gundamの名を冠した「超弩級」駄作、「Seed Destiny」である。この作品は、第一に物語構成が完全に破綻しており、登場人物の人間性もほとんど意味不明、その上、この作品に関係したバンダイ関係者の心根が非常に薄汚く、Original Gundamに登場したMSのZaku、GoufおよびDomなどが意味もなく出ては消えて行く。団塊Jr.辺りを中核にしたOriginal Gundam Fanに媚びて、ガンプラの在庫一層を計ろうとの魂胆が見え見えなのである。そもそもこう言う薄汚い作品を公共の電波に乗せてはいけないし、Bandai Visualは、北米を中心に外国で放映したり、DVDを売ったりしているが、この作品を日本AnimeのGundamの名を冠して売ることは、はっきり言って日本の恥である。この作品が、日本のRobot Anime史上永く語り継がれるであろう名作「交響詩篇エウレカセブン」と同じTBS系列で、しかも、時期的にも一部重なった状況で放映されていたと言うのは、ほとんど信じられない事実と言う指摘があるが、本当にその通りだ。名作と言うものは、山のような駄作の存在があってこそ、その中から生まれてくるものと言うのも真実だが、やはり、見る側が確かな批評力を持っていないと「Seed Destiny」のような視聴者を馬鹿にした、今の日本Animeの水準からして生まれるはずもないような超弩級の駄作が生まれて来てしまうのかもしれない。