エウレカ徒然備忘録

時事報道への感想を中心に、ときにアニメDVDを使った英語学習法などを徒然書いています

レッドガーデン

マヨネーズを製造している会社は、とは言っても結局QPか味の素なのだろうが、あの昔から全く進歩のない容器を何とかできないものだろうか。最近の分別ごみの細分化は、ちょっと行き過ぎだと思うが、ここ数年、我が家周辺ではほとんどのゴミが燃やせない不燃ごみ側に分別されるようになった。なったのは良いのだが、食べ物がこびりついているのにうまく洗えないような容器、マヨネーズ容器などが典型で、あれを本当に焼かないで処分しているのかどうも解せない。結局住民には分別させておいて、皆一緒に焼却しているならある意味話は分かるのだが... 膨大な不燃ごみはどう処分されているのか依然謎だが、それは横に置いて、中身を使い切ってかつ洗える容器を開発してもらいたい。結局昔風の硝子容器に入ったマヨが容器の再利用もできて一番なのだろうか。

さて、真夏の怪談のような、荒唐無稽で少々おっかないAnime、“Red Garden”をGyaOで最終回まで見ました。実際のところは怪談どころか、今年の3月までで、秋口から冬場の寒い時期TV朝日で放映されていたようだ。深夜放映される超B級Animeを作らせたら右に出る者がいないGonzoだけあって、なかなか面白く、数日間はまってしまった。Gonzo作品の特徴は、昨年の“Witchblade”もそうだったが、登場人物の個性が豊かに描かれ、人間たちが絡み合い、紡ぎ出す物語の展開が実に面白く、泣かせる場面も結構あって、すっかり引き込まれてしまいます。Red Gardenの舞台は、New York、Manhattan、そして、Manhattanにコバンザメのように寄り添って位置するRoosevelt Island。そこのとある白人ばかりの高校に通う個性の異なる4人の女子高生、Kate Ashley、Rose Sheedy、Clair Forrest、Rachel Benningが主人公でした。彼女たちは、ある夜何者かによって殺される。しかし、死体は謎の集団アニムスたちによって回収され、彼女たちはアニムスとして生き返る。仮の生命を与えられた彼女たちは、生きたいという意志を捨てるとアニムスの肉体は灰燼に帰してしまい、本当に死んでしまうと言う恐怖抱きながら、敵ドロルとの果てしない戦いに身を委ねていくという、訳の分からない設定で、物語は展開していく。

絵についても、最近の深夜Animeは本当に手を抜かずに綺麗に仕上げているのに感心させられるような出来と言えると思った。特に、番組打ち切りで詰め込みすぎと言われている最終回の終幕場面、戦場と化してすっかり荒れ果てたRoosevelt Island、しかし、最期まで優しかったLiseの魂を鎮めるかのように一瞬にして花に覆われ、その花々に抱かれ静かに眠る4人。Witchもそうだったが、Gonzoは悲劇の結末を綺麗にまとめるのがうまい。綺麗なので、主人公が消えてしまったり、記憶を失くしたりと言う悲劇が、辛うじて救われた思いになれる。Red Gardenでは、4人は生き残ったものの、元の肉体には戻れず、記憶も失うと言う設定でどちらかと言えば悲劇の部類に属するのだろう。アニムスの肉体は半永久的に生き続ける、と言うことから、未来のManhattanを舞台にしたOVA“Dead Girls”にも話はつながって行く素地がここにある。今回のGyaOによる一挙放映は、今月発売されたそのOVAの宣伝を狙うと言う明確な目的があったようだ。それにしても、Roosevelt島と学校を破壊しつくすような戦闘を繰り広げた後で島が花に覆い尽くされていた。こんな事件の渦中にあって、4人は警察に連行されずに済むものなんだろうか。細部を論理的に詰めて考えてはいけない作品なんですね。

今回強く感じたことは、Red Gardenを実写にすると、A級かB級かは別として、そのままHollywood製映画ができそうだと言うことだ。確かに、Hollywoodは、“Last Samurai”や“Sayuri”を製作したが、はたして米国人や今や日本Animeの一大視聴地域となった欧州の人々が、東京を舞台に日本人の物語を、GonzoRed Gardenでやったように作れるか、答は「否」じゃなかろうか。日本のAnimatorがNew York市を舞台にして、米国人女子高生を主人公にしたAnimeを敢えて作ること自体に意味があるかどうかは別として、何でもできてしまう日本のAnimeの底力に不可能と言う文字は無いのですね。仄聞するに、Gonzoは当初から世界市場狙いとも聞く。Gonzo作品には、ドストエフスキーや黒澤作品のような作品の底流に流れる巨大な主題と言うようなものの匂いは微塵もしないが、この辺りがBONESとは対極に位置するAnimatorと言う感じがします。しかし、結構癖になると言うか嵌るものを持っている好い製作会社の一つだと個人的には思っています。