エウレカ徒然備忘録

時事報道への感想を中心に、ときにアニメDVDを使った英語学習法などを徒然書いています

円安の理由−その2−

原油の高騰が続き、東京近郊の不動産価格も上昇に転じた。キューピーがマヨネーズの値上げを決め、近所の洗濯屋がいつの間にか値上げしていた。それにもかかわらず、日銀は金融政策決定会合で利上げを見送った。

その心は、保険料記録漏れ問題で参院選惨敗の可能性も出てきた現政権を守ることに尽きる。しかし、これで今夏円安の流れは決定的となった。今月中の対米ドル120円台後半、7月には130円台もあり得るだろう。どんなに円安が進もうが、当分利上げはできない。日銀にできることは為替市場介入だけである。

今後、安倍政権を守るため、政府機関は何でもありの手段を講じてくることが予想される。株式市場にとっても、飴の政策こそあれ、証券関連の課税強化などはまずありえない。にもかかわらず、社会保険料記載漏れ問題のどさくさに紛れて背番号制を持ち出してきた首相の政治センスのなさには開いた口がふさがらない。抜群の喧嘩上手だった前首相が本当に懐かしく思われる。憲法改正を始め、政策の多くは正論だと思うのだが、このセンスの悪さは一国の指導者としては致命的かもしれない。株式市場は、世界株高、円安など支援材料がありながら、自民党参院選惨敗予想で足踏み状態、若しくは、調整程度の下落相場になるかもしれない。

株式市場の下落は、今の為替の地合からすると、これまた円安材料になるはずだ。今夏は、円安の流れが稀に見るほど明確になってきた。