エウレカ徒然備忘録

時事報道への感想を中心に、ときにアニメDVDを使った英語学習法などを徒然書いています

ゼーガペイン“Zegapain”に見る男と女の役割

MS Gungamを手がけているSunriseが2006年に製作したRobot Anime “Zegapain” は、不思議な作品だ。Blogを書いたりしている核になるAnime Fanからは、放送終了後、その世界観、構成力に高い評価を得つつある。しかし、一般的な評価はそれ程高まらず、私自身あるBlogの批評を読むまで注目さえしていなかった作品なのだ。

第一話“Entangle”(罠にかける、事件などに巻き込む)を見た限り、この作品には可能性が感じられた。何度も見たくなるようなワクワク感を持った滑り出しと言っても良い。何といっても、この十凍京(ソゴルキョウ)のような直情径行型のまっすぐな主人公が、私は好きなのだ。物語が非常に複雑かつやり切れないほど悲劇的なものに設定されているため、主人公がGundamアムロやEvaの碇シンジのようなうじうじ型だと、釣り合いが取れなかったと言う説もあるくらいだが、十凍京は好い。

そして、Heroinは、彼の幼馴染で京の絶対的な支持者である守凪了子。もう一人は、「この世界を救って」と言う謎の言葉で、彼を非現実的な世界とそこにおける戦闘へと導く、謎の女性三崎紫雫乃。

ここで、本筋からは外れるが、Zegapainで面白いのは、Holonic LoaderなるRobotの操縦を通常男女一組で行うことだ。しかも、役割分担が成されており、男性はGunnerと呼ばれ、主に戦闘時の機体の操縦および武器使用を担当し、Wizerdと呼称される女性の役割は、後部座席での機体の操縦、状況判断、飛行母艦との通信などに当たる。どちらが上と言うことではなく、性差による役割分担ということのようで、京と紫雫乃のZegapain Altairでは、今のところは紫雫乃主導である。第一話の初陣で、武器は「銃、それとも刀」と聞かれ、迷わず「刀」と応えるところに京の男気の強い性格が表れている感じがした。

こういう観点でRobot Animeを振り返ると、1970年代製作のGundamでは、MS操縦士は基本的には男性、兄への手がかりをつかむ為に勝手にGundamで出撃したセーラさんが「女でもGundamに乗れることを証明したかった。」という愚にも付かない言い訳をして独房入りをくらってましたっけ。雇用機会均等法が施行される90年代のEvangelionでは、1st、2nd Childは、女性。第8話の登場以来、アスカはシンジを馬鹿呼ばわりして、明らかにシンジよりえばってました。それがここに来て、Animeが世の中の保守回帰を予見しているのか、「男女は平等だが、役割は異なるのだ」と言う方向なのかな、と言う感じをこのZegapainの操縦席を見て持った次第です。

Zegapainは、「是我痛み」と言うことだそうですし、Holonとは、部分でありながら全体としての機能・性質を持ち、全体と調和して働く単位。また、量子力学の量子Computerの概念などが出てきて、例によって非常に難解な世界観を展開するようですが、面白いAnimeを理解するためならば、量子力学(Quantum Mechanics)も一応勉強してみようと言う気が起こります。

「消されるな、この思い」