エウレカ徒然備忘録

時事報道への感想を中心に、ときにアニメDVDを使った英語学習法などを徒然書いています

三社祭が終わりました

お天気にも恵まれ、今年の浅草三社祭は無事終了した。

今年の特徴は、一之宮、二之宮、三之宮の本神輿が町内を練り歩かなかったことに尽きる。神輿に乗って気勢を上げることを男意気と勘違いしている人たちのことは、毎年問題になっていた。例年はその手合いに罰金を科すことで折り合いをつけていたようだが、今年は遂に神社側が神輿が傷むことを理由に、町内練り歩きを拒絶してしまった。

そのため、日曜日の神輿も本神輿ではなく、町内神輿によるややさえないものになってしまった。祭りの真骨頂がそういう状態になると、祭り自体の雰囲気もやや低調で荒れ気味となり、酔っ払いが例年より多かったと言う感想を言う者もいた。まあ、酔っ払いが多いのは例年のことだと思うのだが。

祭りは、日常「褻」の時には地下にいる者達が表に出る「晴」の舞台でもある。これを規制するのは、考えると意外に難しいことにも思える。「新宿鮫」の鮫島警部ならば、法を犯し市民生活を脅かす者たちを容赦しない、「俺を(新宿鮫と)そう呼ぶ奴が新宿からいなくなるのが、俺の望みだ」と言う。しかし、その恋人でロック歌手の晶は、「でもそうなったら、新宿ってつまらない街になる。誰も遊びに来ない。」と返す。

たまたま何度目かの読みかけ中の司馬遼太郎項羽と劉邦」でも劉邦の事務方を支え続けた蕭何や曹参のところで、曹参が斉の丞相の職を後任に譲るときに「斉の獄市を貴官にお渡しします。」、「獄と市だけが、政治の要です。」と言った。

曹参によれば、世の中には必ず姦人という者がいる。そういう姦人達は、司法の対象になるか、市場管理の対象になるかのどちらかだが、この獄と市をあまりにやかましく正しすぎると、姦人は世に容れられなくなり、必ず乱を起こし、国家そのものを毀損する素になる、と言っている。

おそらく、米国のような人工的な国家においては、法家的な獄と市をやかましく正しすぎる方法しか国家を維持していく方法は有り得ないのかもしれない。しかし、近年英国や日本のような自然に成立した国においても法家主義的傾向は強まることはあっても弱まることなど無いように思える。果たしてそのこと自体好いことなのかどうか、進歩といえるのか、鮫島流に結論がすっきり出ない今日この頃である。