エウレカ徒然備忘録

時事報道への感想を中心に、ときにアニメDVDを使った英語学習法などを徒然書いています

地域電力会社の窮状

 実家に帰省中、近所の父の友人宅を訪問しましたときのことです。この方は、長年個人タクシーの運転手をされていて、引退後は近くの空地の一部を菜園にして、そこで野菜や果物を作るのを楽しみに暮らしておられたのです。ところが、今回尋ねてみると、その菜園の柑橘類の木を伐採している最中でした。

 その方がおっしゃるのには、菜園を作っているのは高圧電線の下の空いた土地で九州電力の持ち物であり、今回、九州電力から立ち退くように申し付けられたとのことでした。九電としては、高圧電線の真下で、長く空き地のまま捨て置かれていた土地までも、不動産会社等に売却して資金を捻出せざるを得ない状況に追い込まれているようです。土地を購入した不動産会社やら開発業者やら詳細は分かりませんが、土地に住宅を建設して売却することを目論んでいるようです。

 福島第1原発事故の発生以来、当事者の東電は言うに及ばず、他の地域電力会社も原発を稼動することができなくて、営業収支が急速に悪化していることを想起させるできごとでした。福島の原発事故の影響がめぐりめぐって九州の郊外にあるささやかな菜園の廃止という結果をもたらしたというわけです。

 それにしても、何らかの安全措置は講じられるのでしょうが、高圧電線の真下に住宅を建てて大丈夫なのでしょうか?