エウレカ徒然備忘録

時事報道への感想を中心に、ときにアニメDVDを使った英語学習法などを徒然書いています

日本航空倒産劇は他人事ではない

先週、つまり、1月20日、日本航空本体を含む日本航空グループが会社更生法を申請し、遂に倒産した。負債総額2兆3200億円余り(同社総資産額が2兆1千億円程度なので完全な債務超過)、事業会社としては過去最大と伝えられている。

株式投資株主優待目的にするのは本末転倒、絶対にやっていはいけないことの一つと言うことは百も承知していることなのだが、そこが馬鹿者の馬鹿たる所以。帰省にも利用できるこの優待券は、小生にとっても魅力のあるものだったので、ここ数年低迷していた同社の株式購入を検討していなくもなかったのでした。

しかし、結局買わなくて良かった。これから、上場廃止になる2月20日まで、整理銘柄として売買はできるようだが、完全な投機の対象になり、更生法適用が決まった先週は1株1円と言う場面もあったようだ。記念に1000株買ってもたった千円の支出。これでは、手数料の方が割高だったりして。しかし、会社更生法というのは、会社は存続して、事業活動が続けられるものの、更生法適用後の会社は、以前の会社とは財務上完全にしがらみを断ち切ったことになる模様で、担保権付き債権者でさえ保護されない。従って、旧株券は紙切れとなるのが必然だ。そうして、全てをご破産にした後、旧会社の亡骸から今現在存続している日本航空という同じ名前を持った別の会社が新たに生まれてきたという感覚でとらえてよいようだ。

「倒産法制における位置づけとしては、再建を目的とする点で、民事再生と共通し、清算を目的とする破産と異なる。一方、株式会社だけが対象となるという点で、破産、民事再生とは異なる。民事再生法との違いとしては、担保権者や株主についても更生手続の対象となることなどが異なる。また、会社更生法のみが、他の破産手続きと異なり抵当権、質権といった担保物権について別除権を認めず、更生手続き中の担保権の実行は禁止又は中止となる。」(Wikipediaより引用)

少し古い数字になるが、会社四季報によれば、日本航空の最大株主だったのは、東急グループ。これは、旧東亜国内航空の親会社だったかららしいが、80百万株を所有、これは痛いな。糸山英太郎も50百万株、そして、何といっても従業員持ち株会が37百万株が厳しい。従業員7万人として、一人平均500くらいは持っていたわけだ。賃金が減り、退職金が減り、年金も減る。下手を打てばなくなる。

この日本航空以上に、近年異常な財務体質になっているのが、言わずと知れた日本国の財政だ。遂に2010年度予算は、92兆円の歳出を賄うための歳入の内訳が半分以上税収ではなく、借金になる。こう言う異常事態が永遠に続くはずがないことは、日本航空の事例から簡単に学ぶことができる。学ぶことができたら、個人で今できることを各々が考え、実行するだけのことだ。

この他先週は、民主党小沢一郎幹事長の土地購入問題に絡む東京地検民主党執行部の討つか討たれるかの攻防、これに加えて菅谷さん事件の再審の報道。菅谷さん自身の人権侵害に対するやり場のない憤りには同情するが、少し勘ぐりたくなるような徹底的な検察批判の報道ぶりなどといろいろあった。