エウレカ徒然備忘録

時事報道への感想を中心に、ときにアニメDVDを使った英語学習法などを徒然書いています

日興Cordial株公開買付

世界株安も漸く落ち着きを見せ、週末のSQを無難にこなした株式市場だが、不正会計処理問題で、上場廃止の瀬戸際に追い詰められている日興Cordial Groupの危機は依然として続く。しかし、どさくさに紛れて、公開買付けをかけ、同社を手に入れることを目論むCiti Bankの登場で、一時は、1000円割れにまで追い込まれた株価が、本日引け値で1400円台まで回復して来た。昨年のLive Doorの時とは、大分様相が違うのは確かだ。

興大株主の米ハリス、シティのTOBには応じず

 米シティグループ日興コーディアルグループ株の50%超の取得を目指して実施する予定のTOB(株式公開買い付け)に、日興の大株主で米シカゴに拠点を置く投資ファンド、ハリス・アソシエイツが、現時点では応じない方針であることが分かった。シティが提案している1株当たり1350円では安くて売却できないという。
 ハリス社を通じて最高投資責任者のデビッド・へロー氏が取材に答えた。同氏は「日興株の長期的な価値は最低でも2000円以上あり、シティの関与は歓迎するが、いまのTOB価格には応じられない」としている。(日本経済新聞2007/03/09)

日興株のTOBに応じず・米サウスイースタンも方針表明

 日興コーディアルグループの大株主である米投資ファンド、サウスイースタン・アセット・マネジメントは9日、米シティグループが提案している1株当たり1350円の日興株のTOB(株式公開買い付け)価格に不満を表明、現時点ではシティのTOBに応じない方針を発表した。
 サウスイースタンは米テネシー州に本拠を置き、9日時点で日興株を約6.6%保有している。日興株については「少なくとも同2000円の価値がある」としている。
 シティのTOBに関しては、7.2%を保有している米ハリス・アソシエイツが既に、TOBに応じない方針を明らかにしている。海外ファンドとシティの駆け引きが一段と激しさを増してきそうだ。(日本経済新聞2007/03/09)

上場廃止が決まれば、株式の流動性がなくなるため、安値でも叩き売ってしまえと思っていた投資家にとって、Citiは救世主だが、先人たちが汗水たらして築き上げてきた日興証券と言うBrandが、山一に続いて、外資に安値で持っていかれるのは、何ともやりきれない話だと思っていたところ、米国人同士の公開買付けをめぐる叩き合いが始まって、少し面白くなってきた。

ちなみに、日興の一株当たり純資産は820円、一株当たり利益91円、PER15.5倍、仮にPERが20倍であるとすると1820円である。野村、大和と比較すると、一株当たり純資産野村1115円、大和624円、一株当たり利益159円、104円、PER16.2、14.75である。何を以って2000円の価値と主張しているのかは不明だが、公開買付けの場合、支配権を獲得するPremiumが上乗せされるのが普通と考えると、1350円は如何にも安すぎる。Citiに救済してもらうと言う弱みがあると思っているのかもしれないが、日本人も主張すべきは主張して、一円でも高く、日本の資産を売りつけるべきだ。

それにしても、日興に興味を示していたかつての主取引銀行の三菱東京UFJ、かつて日本の投資銀行を目指した興銀の血統が再び燃え上がりつつあるみずほの日本勢は、この機会に乗じるつもりはないのだろうか。