エウレカ徒然備忘録

時事報道への感想を中心に、ときにアニメDVDを使った英語学習法などを徒然書いています

衰退ということについて

Bike用品を買いに、久方ぶりに上野のBike街に出向く。目当ての店「光輪」の建物がなにやら様子がおかしいので、買い物をした近所のBike Shopで何気なく尋ねたところ、光輪は先の4月に突然倒産したとのことだった。上野のBike街も郊外店に圧されているのか、Bike自体の人気の低下によるのか、ここ10余年の衰退は目を蔽わんばかりだ。

衰退と言えば、我が大和民族は、人間として、生物として、着実に衰退し続けて来たのかもしれない。それがここ数年のことなのか、数十年のことなのかは定かではないが、ここ数年はそれが目に見えて顕著に感じられるようになった気がしてならない。

例えば、街や駅中など比較的人の多いところを歩いていると、他人(ひと)が確実に避(よ)けずにぶつかってくる。それも何人もだ。これだけ大勢の人間が、他人とぶつかりそうになったら避(よ)ける、譲り合うと言う生きていく上での基本ができない社会は、案外珍しいのではないだろうか。そして、ぶつかってくる人たちのかなりの者は、実際避けられないのだと思う。つまり、他人の接近を認識しても、ぶつかるのを避けるための身体動作を即座に起こすことができないか、身体操作はできるけれども、忙しく動いている中で、そう言う動作に思い至る心の余裕や他人に対する思いやりに欠けているのうちのどちらかだろうと思えてならない。

東京のような大都市だけの現象ならば救いはあると思うのだが、それにしても、東京に住む日本人の内の多数派が生物として生きていくのに最低限度必要な身体捌きさえできない、人間としての最低限の他人に対する思いやりも忘れた、文字通り滅び行く民になったかに見える。

こんな民族ならば、将来を担う社会の宝であるはずの子供たちに援助交際と称した売春をやらせてもへいちゃらなんだろうし、若い世代の将来を平気で食いつぶす甘えた不良老人が言いたい放題だったりしても何の不思議はない。

民族の生命力が明らかに目に見えるほどに弱っている以上、大相撲が外国人に席巻されたり、北京五輪で惨敗することなど、表面に現れる現象をいくら嘆いて、彌縫策を施しても無駄というものだ。

痛かったのは、先の大戦を回避できなかったばかりか、この戦に惨敗し、戦勝国によって文化を根こそぎ痛めつけられたことなんだろう。米国黒人の例を挙げるまでもなく、文化を失った民族の未来は数世代どころか、永久に来ないものだ。

日本人の場合、いきなり文化を引き剥がされて奴隷にされた黒人とは違い、万力で締め上げられるように時間をかけてじりじりと伝統と文化を見失うように誘導され、自らも狂った教育や報道に乗せられてそれに加担する者多数、いつの間にか奴隷と相違わぬ身分に転落したようなものだ。

いくら長期投資と言い、逆張り投資と言っても、腐臭の立ち込める衰退国家の株は個別具体的に相当吟味をしないと、なかなか買えたものではないな。