エウレカ徒然備忘録

時事報道への感想を中心に、ときにアニメDVDを使った英語学習法などを徒然書いています

世界のHONDAについて

本田技研工業のCB400Super Fourに乗っています。

しかし、本田技研とは面白い会社です。今日、自動車と二輪車をそれぞれ350万台及び1140万代世界中で売りまくり、売上8兆9千億円、当期純利益5340億円の総従業員18万人弱の世界のHONDAが、数株主総会の壇上に社旗とともに日章旗を掲げる純血日本企業なのです。

その証拠に、今回定員20人から12人に削減された取締役の中に外国人は1人も含まれておりません。ちなみに最大競争相手の豊田も、外国人取締役を置いておらず、本田と豊田の国内自動車大手2社は、純血日本企業の最右翼ともいえる存在です。

今回の取締役定員削減の効果を十二分に上げるために、取締役各人の業務成績を可視化して明確にしてはどうかという趣旨の株主意見に対して、伊東孝紳社長からの回答は、「本田の強みは、チームワークで仕事ができること」という趣旨で、取締役の個別成績の明確化には否定的でした。推測ですが、この会社の場合、多くの幹部は創業者の謦咳に接した経験を共有しており、チームワークを重視する考え方を筆頭にして日本的経営を是とする風土がいまだに残されているのかもしれません。

本田と言えば「バイク」と言いたいところですが、やはり事業の中核を担っているのは二輪事業の6倍近いの売上を誇る四輪事業にほかなりません。四輪事業における最大の市場は北米市場であり、販売台数でここもとジリ貧の国内市場の3倍近い145万台に達しています。意外なのが全欧州市場における大苦戦で、20万台足らずにまで落ち込んでいます。日本国内を除く亜細亜市場は台数で100万台を突破し、北米に次ぐ市場に成長しつつあります。

人口減少に伴う国内市場の緩慢な縮小及び理不尽なまでの水準といえる1米ドル当たり80円を超える円高は、自動車産業にとって明らかな逆風であり、国内生産にこだわる超優良大企業群にとっても今のまま生産を続けることは困難になってくるでしょう。企画・開発部門など高度に頭脳的な部門等だけを残して、組立工程を主とした製造部門はことごとく海外に逃避してしまう可能性があります。法人税高及び円高に加えて、天災被害の危険性まで加わってきています。外国企業の投資を呼び込むより先にやるべきことは、国内自動車大手の国内生産拠点をどんな手を使ってでも国内に引き留めておくことがより優先度の高い産業政策というべきです。そしてそのため必要条件として、1ドル100円前後程度の円安誘導は不可避だと思うのですが...。