エウレカ徒然備忘録

時事報道への感想を中心に、ときにアニメDVDを使った英語学習法などを徒然書いています

尖閣は一体誰が買うのか?

 上陸許可が下りないまま、東京都が尖閣諸島海上から調査を実施したのが、今週の日曜日でした。翌9月3日の月曜日に、NHKから「国と地権者との間で20億円で購入する話が進んでいる」とのやや唐突な印象の否めない報道が行われました。内閣官房長官からも地権者との交渉が行われているとの発表があり、NHKの報道は必ずしもガセではないようですが、どの程度の信憑性があるのか真相は藪の中でした。

 5日の今日になって、「尖閣、国購入で合意、20億5000万円、月内に閣議決定」の報道が夕刻から流れています。要点は、石原都知事が国への売却条件として求めていた漁船の避難港の整備には応じないということです。この問題は、石原都知事
が動いたことに対応して、政府が唐突に動き始めたことで、NHKを始め主要報道機関は、「国が購入することで話はついた」という報道の仕方を早くから行っていましたが、産経は、地権者と石原都知事の仲介役を務めたといわれる山東昭子参院議長の話として、「国が地権者に働きかけているこは認めたものの、地権者はいまだ態度を決定したわけではない」と伝えていました(「地権者は迷っているが国に決めたわけではない」)。

 本来ならば、国が購入するということで、国が本来の役割を行う正常な形に戻ったと喜ぶべきことろですが、
1.現在政権を担っている連中の信用度は地に落ちていること、
2.石原都知事が国への売却条件として求めていた漁船の避難港の整備には応じないということ、
3.東京都には既に14億円の寄付金が集まっており、2と関連する石原都知事の意見に賛同する寄付者の意向を踏みにじることになること、
など、非常に問題です。現象面だけ見ても、14億円の浄財を集めた東京都に対して、20億5千万円の血税を勝手に使用して、金の力で地権者と東京都をねじ伏せるような国のやり方は、全く醜悪に映ります。