エウレカ徒然備忘録

時事報道への感想を中心に、ときにアニメDVDを使った英語学習法などを徒然書いています

「解雇規制の緩和及び最低賃金の撤廃」維新の会政権公約発表

 大手紙等の報道によれば、「日本維新の会は(11月)29日、衆院選政権公約「骨太2013〜16」を発表し、石原慎太郎代表と橋下徹代表代行が都内での記者会見で、官僚主導政治の打破を目指す考えを示した。公約には政府と日銀の役割分担などを明確にするために日銀法を改正する方針や石原慎太郎代表が持論とする自主憲法の制定を明記した。」と伝えています。

 この政権公約の中に「解雇規制の緩和及び最低賃金の撤廃」という1項目が盛込まれています。基本的に村社会の我が国において、解雇は「村八分」にあたり、労働者にとって死刑を意味します。そのため、使用者にとっては契約自由の原則を大幅に制限されることになる「解雇権濫用法理」を裁判所が中心になって判例法として確立し、今では労働契約法16条として成文化もされています。一方、「解雇権濫用法理」によって護られている分、我が国の労働者、特に正規のホワイトカラーを中心にした層は、会社の転勤・配転命令、その他の業務命令には余程ひどいものでない限り黙って従うという図式が確立しています。

 しかし、新自由主義的改革の旗手となりつつある日本維新の会の政策は、このような日本の労働慣行の伝統を破壊し、欧米的な個人主義的労使関係をさらに推し進めることを目論むものです。これによって、解雇しやすくなった分、新規の採用も増加し、労働市場の流動化、活性化が促され、最低賃金制度の撤廃とあいまって、最終的にはより多くの雇用が生みだされるという考えなのでしょう。破壊者としての維新の会の性格をよく現した政策だと思われます。

 また、橋下徹代表代行は、自民党石破幹事長との対談で、法律を改正して地方自治体の首長と国会議員の兼職が認められるようになれば、来年7月に予定される参院選挙に出馬すると明確に述べておられますが、この方は以前参院の廃止を訴えておられたような気がします。何を言っておられるのかよく分かりません。ところで、兼職肯定の根拠として諸外国においても兼職は常識で、例えば独仏を挙げておいでですが、本当にそうなのでしょうか? 連邦制のドイツでは何となく州政府の首長が国会にも出てくるという図式を理解できないこともないのですが、中央集権的なフランスでもそんな制度があるとにわかに信じられないのです。少なくとも世界標準の範とされる米国で、例えば州知事が上院又は下院の議員を兼職するなどという話は寡聞にして聞いたことがありません。
【激論】朝○○ 〜石破氏と橋下氏