衆院選挙を控えテレビ朝日系「報道ステーションＳＵＮＤＡＹ」に野田首相、安倍自民党総裁がそれぞれアンカー等の質問に答える形で出演されていました。野田首相は箸にも棒にも引っ掛からなかった低水準の前任者達とは異なり、発言の効果を考えて自分の役回りを見事演じていました。このあたりはやはりしたたかな男なのだと思わせるに十分です。しかし、安倍総裁の言葉は、結局は空虚な野田総理のそれとは全く質の異なるもので、聞く人が聞けば魂を揺さぶる真摯な訴えだったと思います。安倍総裁は、大手新聞社及びテレビ局を心中寒からしめることを少なくとも２つおっしゃっておられました。
第１に、質問の冒頭で、野田総理が要望している党首間のテレビ討論について、公共性の強いテレビ放送において自民党だけでなく、他の党の党首にも出演を要請すべきであるとの理由で拒絶し、替わりにＩｎｔｅｒｎｅｔ動画による党首討論ならば応じると明確に回答されました。Ｉｎｔｅｒｎｅｔというのは、「ニコニコ動画」の生中継を指しておられるのだと思いますが、要は「民主党の肩を持つような罠をしかけてくるのが見え見えの偏向したテレビ局は端から相手にしません。一方、少なくともおかしな編集の心配がないＩｎｔｅｒｎｅｔ動画で正々堂々と勝負するならやりますよ。」といったのです。同時に「皆さん、偏向した大手テレビ局など端から信用してはいけませんよ。」と聞く耳のある人にはそのようにしか聞こえない宣言を行ったのです。
第２に、竹島の日の制定を党の政権公約に掲げた点の質問に答えて、「そもそも竹島が我が国の領土だと生徒に教えようとさえしない日教組が問題なのであって、その日教組の首領である輿石東が幹事長をやっているのが民主党なのです。」と論点を巧みにすり替えて、日教組批判を行っていました。一昔前ならば、テレビで直接言及することが憚られた点ですが、日教組批判に国民はついて来るということは、既に１年前、橋下徹市長が大阪で実証済みであり、日教組が教育を歪めていることは、もはや隠しようのない世間の常識になっています。それに気がつかないで妙な気を回しているのは、テレビ局だけのように見えました。
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