エウレカ徒然備忘録

時事報道への感想を中心に、ときにアニメDVDを使った英語学習法などを徒然書いています

一票の格差違憲判決

 ここ数日、2012年12月16日投票日だった衆議院選挙に関する違憲判決が各地の高裁で下されています。厳密には、「違憲状態判決」、「違憲判決だが選挙無効の訴え棄却」、「違憲判決かつ選挙無効」など各高裁で微妙にその内容は異なっています。多数派は、「違憲判決だが選挙無効の訴え棄却」とする判決ですが、これは常識的には意味不明な判決のように思えます。こういう馬鹿馬鹿しい違憲判決を下し続ければ、やがて日本国憲法の権威など蛙の小便程度のものになってしまうのでしょう。

 一票の格差は、何が何でも許されないということで違憲判決を下すのならば、広島高裁の前衛的な裁判長のように選挙無効と言い切るべきなのでしょう。その方が論理的には、はるかにすっきりしますし、そうすると民意を無視する裁判所の傲慢さがより鮮明に人々の前に提示されてきます。また、それ以前に、違憲判決などというものが如何に馬鹿馬鹿しい言葉遊びかということも露呈されてしまいます。

 日本国憲法の権威を貶める違憲判決の連発は、結局この憲法がただの落書きに過ぎないことを名実ともに明らかにして有権者の前に曝すという点においてのみ、意味があったのではないかとさえ思えます。この判決を逆手にとって攻勢に出ることも可能と考えれば、違憲判決は安倍政権にとって痛くも痒くもないといったところなのでしょうか。

昨年の衆院選「広島1、2区は無効」広島高裁判決 国政選挙やり直しは戦後初(日本経済新聞電子版)
広島高裁、別の裁判長は選挙無効とせず(日本経済新聞電子版)