エウレカ徒然備忘録

時事報道への感想を中心に、ときにアニメDVDを使った英語学習法などを徒然書いています

2014年都知事選の行方を占う

 昨年10月からの小泉元総理による突然ともいえる「反原発宣言」については、素直に受け止める原発反対派が多いようにも見えますが、唐突な印象がぬぐえないまま様々な憶測があったように聞いています。我が国が原発をあきらめ、化石燃料の大量輸入国であり続けることは、石油メジャーにとっては望ましいことで、小泉氏はその利権を代表して発言をしているのではないのかという見方は、かつての小泉政権の性格を思い出すと比較的自然に導き出されるところかもしれません。
原発「即ゼロ」を 小泉純一郎元首相

 もう一つは、現政権の別働隊として動いているのではないかという視点です。元総理の反原発宣言は、現政権の正統性を揺るがしかねない上告審判決(昨年衆院選は違憲状態=「投票価値の平等に反する」−1票格差判決・最高裁大法廷)に先立ってなされたことが、その根拠の一つです。そして、猪瀬前都知事徳洲会事件にかかわって辞職し、想定になかった今回の都知事選が日程に上ってくると、舛添要一厚労相や東国原英雄元宮崎県知事などの知名度の高い人物の名が新聞・テレビの報道で流されておりました。一時は、舛添氏に自公民が相乗りするのではという憶測まで流れ、こうなれば舛添氏が圧倒的本命候補という状況にあったといえます。

 年末年始にかけては、左翼陣営の候補と見られる元日弁連会長の宇都宮健児氏、保守陣営の元航空幕僚長 田母神俊雄氏が名乗りを上げていましたが、舛添氏がその知名度と大政党からの支援による優位は揺るがないはずでした。ここで俄かに浮上してくるのが、細川護煕元首相の動きです。自公との相乗りを回避したいという民主党の本音とも平仄を合わせる自然な流れにも乗っていましたが、更に、原発反対の旗幟を鮮明にするならば、小泉元総理も支援に回るとの話にも乗るかたちで出馬表明となったようです。

 これで舛添氏に自公民が相乗りする最悪の都知事選挙が回避されることになりました。第一に、議会与党の自公と野党の民主党都知事選で相乗り候補を出すというのは、どう考えても都民の民意に反することになるからです。第二に、当時の自民党が如何にひどかったとはいえ、裏切り者である舛添氏が自民党公認で悠々と都知事の職に就くことに納得の行かない同党支持者は少なくないことが想定され、議会に反映されている民意との見えないねじれが生じる蓋然性が非常に高いといえるからです。

 今回の都知事選、細川護煕氏の出馬表明が勝敗を決める分岐点になった氣がします。本人も言及されてわかっておられるようですが、同氏の当選の可能性は元よりありません。と同時に、新聞・テレビの本命である舛添氏の当選可能性も相当程度削ぐことになります。浮上してくるのは、現政権の考え方に近い田母神候補ということになると思います。伝えられる小泉元総理の細川氏支援発言は、田母神都知事実現への大いなる側面支援となったものと見ています。