エウレカ徒然備忘録

時事報道への感想を中心に、ときにアニメDVDを使った英語学習法などを徒然書いています

参院選挙_2010

本年の最大のEVENTの一つ参院選挙が終わりました。結果は、民主惨敗、自民が改選第一党復帰、そしてみんなの党の躍進でした。

民主敗戦の主因は、菅総理が唐突に言い出した消費税率引上げ論の説明不足及び発言のぶれだったといわれています。しかし、菅総理としては、消費税を争点に絞り込むことによって、「普天間基地移転の問題」及び「旧Two Topの政治と金銭問題」を争点に上らせないというつもりだったのでしょう。同時に、財源を考えている責任ある政党を標榜する自民党の戦略を無力化し、合わせて小沢前幹事長の勢力も抑えるしたたかな戦略のつもりだったのだと思います。

しかし、消費税率引上げ論を言い出したことが主な敗因というならば、同じく消費税引上げを主張していた自民党になぜ票が流れたのでしょう。意外と陰の争点になっていたのは、昨年秋の「国籍法」改悪、「外国人地方参政権付与」などに代表される、我が国の主権に関する問題だったのかもしれません。千葉法務大臣の落選は、そのことを象徴しています。しかし、驚くべきは、神奈川地方区で落選した法相が、民間人として法相の地位に留まることになったことです。

Yahoo!「意識調査」

確かに今回の敗北の責任を就任して間もない菅総理に問うのは酷なことだと思います。総理にしてみれば、敢えて争点を単純で分かりやすい「Yes or No」の問題に絞り込む王道の戦術的選択をした訳で、決して手を拱いていたわけではありません。しかし、首相交代劇で急上昇した内閣支持率に、世論を見あやまった点があったのだと思います。つまり、机上では理にかなった戦略と思えたものが、実は甘かった、ということだったのではないでしょうか。そういう甘さは、落選後の法相の処遇によく表れているように思えてなりません。

とすれば、菅総理の指導者としての資質は、到底一国を率いる器には達しておらず、困難な政局を乗り切り、破綻寸前の財政に有効な手立てを講ずる可能性は限りなく無しに近づいたということになります。一方で、今回の参院選の総括が、前述のような通説でまとめられるのであるとすれば、消費税導入はまたもや遠退いたと言わざるを得ないのでしょうか。

財政破綻の顕在化及び超インフレ時代の到来は益々現実味を帯びてきています。

債務残高速報

===夕刊フジより引用===

千葉氏の処遇について仙谷氏は「行政の継続性の観点から続けていただくのが望ましい。首相とは改めて再確認した」と述べ、続投させる考えを示した。さらに「9月には代表選がある。執行部体制も新しくつくることになる」と説明し、9月の代表選後に大幅な人事に踏み切る可能性を示唆した。

要するに千葉氏は9月まで留任ということ。民主党関係者は「人事をすれば反対勢力につけいるスキを与えるし、菅直人首相(63)の責任論にも波及する。時間かせぎだ」と解説した。

しかし、民意によって国会議員バッジを失った千葉氏が引き続き行政の中枢に残ることには、異論が多い。明治大学高木勝教授は「千葉氏は大臣としての実績を訴えて選挙を戦い落ちたのだから、『千葉さんはもう大臣として仕事をすべきではない』と判断されたということだ。これで続けるのは民意、選挙を無視している。そもそも、選挙で大敗したのに、菅首相が責任を取らないのはおかしい」と指摘した。

また、「税金の無駄遣い」を指摘する向きもある。総務省人事・恩給局によると、民間人大臣の給与は、国会議員の大臣と同額。後者には国会議員としての歳費が含まれているため、民間大臣がいると、歳費分だけ国庫の支出が増えることになる。昨年度は、大臣1人あたま約2890万円が支給された。しかも、千葉氏は在任中のボーナスも受け取ることになる。

前出の高木氏は「事業仕分けと称して税金の無駄削減を言うのなら、9月まで期間は短いとはいえ、国会議員から大臣を選んで無駄を省くべき。こんなことをしていては、国民の心は離れるばかりだ」と一刀両断した。

民主党では、千葉氏のほか、栃木選挙区(改選1)の簗瀬進参院予算委員長(60)、岐阜(同2)の山下八洲夫元参院国家基本政策委員長(67)ら大物も落選した。惨敗が与えた傷跡は、あまりにも深い。

===引用終わり===