エウレカ徒然備忘録

時事報道への感想を中心に、ときにアニメDVDを使った英語学習法などを徒然書いています

戦うのか、戦わせるのか

TV Animationの創成期。Robotもので、手塚の「アトム」、少し遅れて横山光輝の「鉄人28号」というのがほぼ同時代に放映されていました。これらは、何度か復活版も制作られているので、原作を見ていない世代にも記憶されているRobotものの古典になるのでしょう。

当時個人的には、鉄人の方が好きでした。単純に男の子が機械の操作に憧れるというようなものだったと思います。しかし、その後のCyborg、Mutantものも含めた広義のRobotものという定義が正しいかどうか分かりませんが、そういう範疇のなかでは、操縦機を操ってそれ自体心を持たないRobotを戦わせるものよりは、自分自身が変身して戦うものが好きでした。手塚の作品で言えば、「アトム」は、生活する時も戦うときも同じ格好という例外的な事例、「ビッグX」は、典型的な変身巨大化型、「Vampire」も変身型であり、他の作者の作品では「8マン」などがありましたが、ビッグXは、当時一番好きなアニメでした。

ここで気になるのが、変身して戦い、敵を倒して、元に戻ったとき、以前に着ていた服がどうなるのかと言う、非常に興味深いと言うか、漫画だからどうでもいいじゃないかと言うような問題です。どうも、こういう点が一応理屈に合った説明がなされず、どうでもいいじゃないかと言う扱いをしている漫画は信頼できないのです。

子供の頃のTVでは見過ごしていましたが、大人になってから読んでみた「ビッグX」には、ちゃんと、あの戦闘服は特殊なゴム製で、身体の巨大化にも耐えうるのだ、と言う記述がありました。これを見た時は、さすが、手塚治先生、やはり気にしておられたんだ、と妙な感激をしたものです。最も、じゃあ、ヘルメットやマントはどうして大きくなるんだ、と言う更に厳しい突っ込みをする人がいるかもしれませんが、そこは漫画の世界、一応の理屈付けがあれば、適宜手を打ちましょうと言う首尾一貫していないのが私の立場です。同じく手塚作品のVampireでは、主人公は変身後は全裸になってしまったと記憶していますので、やはり手塚治先生、それなりに理屈に合わないことは避けたいと願っておられたと好意的に受けとめております。

最近のものでは、「ウィッチブレイド」というやや硬派の成人男性向け深夜アニメがありましたが、これでもBladeが変身時に着衣していた服を包含する形になり、変身を解いた後は、元の服装になると言う理屈付けがなされていたようです。ちょっと苦しい説明、かつ、この作品の性質上、期待はずれだったかもしれませんが??? 作品自体は、よく出来ていたと思います。面白そうなものを数本見ているに過ぎないので僭越ですが、おそらく前4月〜9月期の作品中、上位に来る佳作だったのではと思っている次第です。

ビッグXに話を戻すと、主人公朝雲昭が変身する時、万年筆型の注射器で薬を打つという、今考えると極めて危ない変身の仕方をしていました。当時は気がつかなかったのですが、TV版では、やはり子供への悪影響を危惧した人がいたのか、もろに注射を打つという形にはなっていないそうです。そう言えば、「エウレカセブン」でも、いつも注射を打って戦う女が登場していたな。こちらは、一見血のような赤い液体を顎のところに打つというものでした。

と言う訳で、服装問題、薬物問題といろいろ抱えていたビッグXが結構好きだったんですが、一説によれば、手塚先生は、優等生すぎる主人公朝雲昭がお気に入りではなかったとか、残念!