エウレカ徒然備忘録

時事報道への感想を中心に、ときにアニメDVDを使った英語学習法などを徒然書いています

ヱヴァンゲリヲン「序」で使徒の血は赤だった

自称Anime Fanにもかかわらず、恥ずかしながら今頃新劇場版Neo Genesis Evangelionを見て参りました。TV版Evaをそれ程過大評価していない小生ですが、この劇場版は取り敢えず見て良かったです。「序」(TV版26話を四部作、約400分程の予定?)と言うことで、第三使徒SACHIEL、第四使徒SHAMSEL、および第五使徒RAMIELまでのお話でした。物語はTV版からほとんど外れない内容に終始し、無難と言えば無難な出だしだったと言えます。第五使徒と言うのは、あの立方体の無機質でNerv本部に掘削作戦をしかけた奴で、零号機が暴走した時の大怪我から復帰した綾波レイと初号機のシンジの連携攻撃でやられてしまうのですが、この戦いの前後の映像がかなり手直しされていて、RAMIELは完全にCG化されて非常に美しくかつ躍動的になっていました。アスカが未だに登場していない本作品では、Heroinは主に綾波レイによって演じられ、巨大な満月に映し出された彼女の出撃場面が、決して目新しいものではありませんが、映像的に非常に美しく描かれておりました。

Evaと言えば、Gainaxですが、今回は何故かEurekaのBONESが協力しており、今回の劇場版用に加えられたと思われる場面の中でやや画質の異なるもの、例えば使徒の攻撃で損傷したNerv本部でスキー場のLiftのようなものに乗って移動しながら話す葛城ミサトと赤木律子やBarでくつろぐ同じくミサトと律子など、ややBONESっぽい感じがしました。思えば、敵が青い血の人々であることに固執したRahxephonと言い、Eurekaの髪の色と目の色が綾波レイのそれに酷似していることと言い、BONESのRobot Anime製作者には、この分野の新境地を切り開いた庵野秀明とEvaに対する尊敬が当初からあったのかもしれません。

物語としては、使徒そのものとそのAT Fieldを非常に分かりやすく視覚化した第三使徒SACHIELが相手だった初陣、そして「逃げちゃだめだ。」と言うこれまた非常に分かりやすい標語をシンジに叫ばせた第四使徒との戦いと、内容が内容なんで、上手く無難にまとめていました。映像がTV版に比べて格段に良いので、文句はなしです。

「逃げちゃだめだ。」と言えば、大相撲時津風部屋のリンチ殺人事件のことが想起されるのです。事件の被害者の時太山さんは本当に気の毒な話ですが、逃げ出すことはできなかったのだろうかと思うのです。こうも虐めに起因する事件がうち続くと、他人の本当の悪意と言うものを感じたら、一目散に逃げ出すと言うのも有りなのかもしれないとふと思ってしまいました。原則として、命に危険を感じたら逃げなければ、そして、他人の善意と悪意を敏感に感じ取る肌感覚は、残念ながら今まで以上に鋭敏にしておかなければならないのかもしれません。他人の悪意など気にしない図太さと同時に。うーん、難しい。

亡くなった斉藤俊さんのご冥福を祈ります。