エウレカ徒然備忘録

時事報道への感想を中心に、ときにアニメDVDを使った英語学習法などを徒然書いています

ゼーガペインとAnime雑感

Zegapain、第23話「光の一滴」、第24話「舞浜の空は青いか」、そして最終話「森羅万象」までを視聴。Zegaは、噂にたがわない秀作。小難しい「量子論」を正面から取り扱っているにもかかわらず、量子論の何たるかを理解していなくても、それなりに説得力のあるわかりやすい展開と結末はみごと。Zegaは、守凪了子の物語という見方もあると聞くが、24話と最終話のHeroinは再び三崎紫雫乃という印象が強い。人類を滅ぼしたGardsormは量子の揺らぎこそが人間の心を創ると言う説を唱えた。それを実証するために造りだした人工幻体こそが、彼女の正体だった。自分だけはGardsormの技術を以ってしても実体のある人間には戻れないことを悟っていた彼女は、限りある命と引き換えに再び生身の肉体を取り戻すことに成功した十凍京に、「京、大好きだったわ」と最後の別れを告げる。

最終話を見てからしばらくたって気づいたことが一つある。量子論のさわり位は読んだので、すぐに気づくべきだったのだが、なんとも鈍いのが口惜しい。物語には、何故か時折猫が現れ、紫雫乃からMilkを与えられたり、瀕死の島の許に現れどこかに連れ去ったり、最後には舞浜Serverに転送されたミナトたちの許に現れ、Ressurection Systemおよび高度の幻体修復に関するDataを転送したりと、かなり重要な役目を果たし、日本語版DVD“File1”の表紙でも紫雫乃の足下に寄り添う。この猫は、「Schrodingerの猫」を想起するための小道具に違いない。こう言う遊びが分かって知っている人は「にやり」とする仕掛けが、最近のReal Robot Animeに見られる特徴の一つかなとも思う。そんなことも含め、Zegaは、本年に見たAnimeの中では最高の作品と評価している。

Anime “MAJOR”「聖秀学院高校」編も見ている。原作は少年サンデーの長期連載記録を更新中というこの作品は、主人公茂野吾郎の野球を題材にしたスポ根ものでもある。スポ根ではあるが、スポ根も時代を反映して随分と変化したものだとつくづく思い知らされる。この作品の主題は、徹底して管理野球とManualに反発して、遠回りをしながら、時には進んで逆境に身を晒しながら戦う茂野吾郎の反骨の生き様である。この系譜は、矢吹丈あたりからの流れなんだろうが、MAJORでは、ことさら管理とManualの否定が鮮明だ。益々管理社会の様相が強まる21世紀だが、それに逆行するかのようなこういうAnimeがそれなりにFanを惹きつけるのは、十分に理解できる。巨人軍は、もはや「巨人の星」の頃のプロを目指す野球少年たちの憧れではなく、むしろ、元祖管理野球や金満球団として否定的な意味合いの濃い球団と言うのが定石であるようだ。そうだとすれば、巨人離れはもう止められないのだろう。