エウレカ徒然備忘録

時事報道への感想を中心に、ときにアニメDVDを使った英語学習法などを徒然書いています

Ride Back−その2−

Ride Backは、琳がRide Backに乗ってからわずか半月の特訓で、選手権に出場する第3話までを見たが、良い作品の出来を維持していると思う。原作の漫画の方は、もう少し、左っぽい作品のようで、Anime版の導入部ではそのあたりが大幅に抑えられ、バレエを失って喪失感を抱いていた琳とRide Backとの出合いに焦点が絞られており、良くなっているとさえ思えた。

この間琳以外の登場人物の人柄も大分明らかになってきている。特に、武蔵野総合大学の文学部仏文学科3年片岡珠代。Ride Backの乗り手としては、琳の先輩格で、Fuegoによる琳の非凡な跳躍を見て、全くの初心者にすぎない琳にRide Back Raceの挑戦状をたたきつけてきた女傑。体格に恵まれ、男勝りの強気な性格の珠代は、昨年の選手権で愛機RBZを駆り、女の身で猛者どもを退けて優勝しており、二連覇のかかった今大会でも大活躍している。

それにしても、第2話の珠代と琳の一騎討ちは、珠代が飛び出してきた猫を避けて転倒し、決着付かずと言うことになっているが、あのまま続けていたら明らかに琳の勝ちでしょう。また、琳が一度コーナーを曲がり切れず、池に突っ込んだときは、皆心配しなさ過ぎで(まともに心配していたのは長年の親友しょう子だけ)、少し不自然。しかし、この猫を避けて自分が転倒してしまったところから見て、珠代が見かけとは裏腹に意外とやさしいのではないかと思わせる。実際面倒見の良い姉御肌の性格なようで、ぶっきらぼうながら琳のことを出来のよい妹のようにかわいがっているようにも見える。Ride Back乗りとしての琳の才能と内に秘めた「全てを切り裂く牙」を早い段階で見出したようで、それがいきなりの挑戦状の根拠であり、結果的に彼女の存在が琳のRide Back部入部の決定的な要因になる。Ride Back乗りとしては、文字通り男勝りのPower系の乗りこなしぶりで、今選手権で車体をぶつけてきたCobra兄弟に対して、喧嘩も辞さない徹底した強気のRideで史上初の選手権二連覇を達成している。

その選手権を授業もそっちのけで見ていたのが琳の弟の堅司だが、母親の定めたバレエ・ダンサーとしての道を素直に歩んでいた実姉とは違って、相当に不真面目な奴だが、この日、珠代を上回るラップを刻んで追い上げていた注目の新人が自分の姉であったことに気が付いていない。選手権の規定に適合せず、Fuegoではない別の市販Ride Backで選手権に臨んだ琳だったが、途中猛烈な追い上げを見せて注目を集めたものの、琳とRide Back Balonの相性がFuegoには遠く及ばず、エンジン・トラブルを起こして途中棄権。Ride Back部の顧問岡倉天司郎などは、普通の人間には扱いにくい癖のあるRide Back Fuegoとの不思議なまでの相性の良さを見せる琳が何か特別なものを持っていることに気付き始める。

さて、この女性主人公のRobot Animeだが、美少女とメカという組み合わせは、既に定番の一つではあるらしい。EurekaのNirvashもそうだったが、心のない機械であるRobotがあたかも心を持つ、あるいは心があるかのように振舞う設定には、「理」が勝る男性よりは「感性」重視で本質的に受身なところのある女性主人公の方がより不自然さがないと言うことなのかもしれない。

そう言えば、第1話冒頭で琳が踊っていたのは、Mussorgsky、「展覧会の絵」だった。Classic BalletとOpening Themeの音楽と映像。対照的で成功していると思う。よくよく考えるとやや不自然な展開も皆無とはいえないが、映像的に美しい(琳のかわいさも含めて)好作品と言う評価は変わっていない。

ところで、Animeを製作しているMad Houseの親会社Indexは、Soudi ArabiaでAnime製作者を養成するなど、中東に進出すると言う報道が流れていた。日本の将来は文化の創造にかかっている。日本食とAnimeがその先兵になるのかもしれない。